Chim↑Pom 「ヤジルシソビエトルーChimとPomのパラドックス」

SNAC / 無人島プロダクション

poster for Chim↑Pom 「ヤジルシソビエトルーChimとPomのパラドックス」

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無人島プロダクションでの個展開催は、2011年の「REAL TIMES」「SURVIVAL DANCE」以来、3年ぶりです。今回も、ギャラリーフロアのみならず、エントランス部分や天井裏、事務所領域まで使ったインスタレーションを展開します。

本展の展示のキーワードは「ボーダー(境界)」です。 2011年の2つの個展と、2012年にChim↑Pomがワタリウム美術館でキュレーションした「ひっくりかえる」展、そして現在進行中のプロジェクトで、2015年福島の帰還困難区域内で開催する「見ることができない」国際展「Don’t follow the wind」を進めていくうちにChim↑Pomは「ボーダー」という概念に着目しはじめたといいます。 また、今夏NYでChim↑Pomは「展覧会をキャンセルする」ビデオインスタレーション「コヨーテ」を発表しました。「コヨーテ」は、Chim↑Pomメンバーのエリイが抱えるアメリカへのイミグレーション問題という事実をベースに、1974年にヨーゼフ・ボイスがアメリカで行ったパフォーマンス「コヨーテ−私はアメリカが好き、アメリカも私が好き」を引用した作品です。
隠語で「コヨーテ」と呼ばれるメキシコからの密入国斡旋業者の存在を作品内に示しつつ、9.11以降のアメリカのセキュリティ強化やイミグレーション、不法移民の問題など、ボイスのパフォーマンスからちょうど40年後の現在のアメリカが抱える問題を「外から」浮き彫りにした作品も「ボーダー」についてChim↑Pomが考えるきっかけとなっています。
さらに本展でChim↑Pomは、「ボーダー」を考察するキーとして、「パズル」と「パラドックス」を展示の重要な構成要素と捉えています。
パズルのピースは、「SURVIVAL DANCE」展以降、たびたびChim↑Pom作品に登場しています.
2011年にはじめて登場した際には、世相を反映した「ピースが崩れた」という、ホワイトキューブのギャラリーの壁がパズル状にばらばらに切り取られ壊された作品を発表しましたが、今回はギャラリーから切り出したピースを国や歴史、文化が異なるバラバラな場所へと移植し、代わりにそこから同じ形に切り抜いたピースたちをギャラリーに運び入れ繋ぎあわせることで、「壊れたピース」の再生・修復を試みます。
「パラドックス」は論理学の上では「問題の解」としてパズルの対比として存在しています(※)。
問題に対しての答えはひとつだけではないということで、グレーゾーンや答えがない(出ない)ような事象が世界には無数に存在し、さまざまな意見がそこかしこから常にあがっています。「パズル」でバラバラだったものを一つに結合させることを試みながらもChim↑Pomは、同時に「パラドックス」を作品化することで、そういった現象こそが重要なのだということを提示します。
しかしやはり同時に、現実にはさまざまな異なる二者を分けるボーダーは歴然と社会に存在し、近年その境界線━たとえば領土問題、アートと猥褻、都市と田舎、福島の帰還困難区域など━はどんどんはっきりと規定され、そしてそのボーダーの壁はグローバリズムの中で価値観が均一化されてきた中でも、さらになお高くなってきているようにも思われます。
今回Chim↑Pomは、国境や帰還困難区域、リーガルとイリーガルといった、歴史や社会状況で変化する現実の事象だけでなく、思想や生と死といった概念のボーダーや、文化や言語の違いについての考察も新作を通して行います。
社会に表現者として真っ向から対峙しているChim↑Pomが、さらに大きな広がりをもったことを本展で確かめていただけることでしょう。
今回ギャラリーの入口は封鎖されたような構造になっています。それを外と中の境界線ととるのか、アートの敷居の高さととるのか。是非、そして心してこのボーダーに足を踏み入れてください。

※ある問題を論理学のうえで解を求める場合、その問題は3種(あるいは4種)に分類されるという。すべてが整合した唯一の解が導ける「パズル」、それぞれに理のある複数解が互いに矛盾する「ジレンマ」、論理的に解けそうでいて不思議と解答が見つからない「パラドックス」です(もうひとつは、とんちが必要ななぞなぞのような「リドル」)。

メディア

スケジュール

2014年11月01日 ~ 2014年11月29日

アーティスト

Chim↑Pom

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