終了した展覧会・イベントです
画像: (C)Wataru Yamamoto, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

山本渉 「しみ そめ しわ」

ユミコチバアソシエイツ
終了しました

アーティスト

山本渉
山本渉は、これまで写真を媒体に多岐に渡る作品展開をしてきました。熊野古道の原生林の中で、旧道の道なき道をたどりながらセルフポートレートを撮影した「線を引く」、一見美しい彫刻のように見えるが、実は男性用の自慰道具の内部に石膏を流し込み型取りした立体物を撮影した「欲望の形」、 降り注ぐ太陽の暖かさをピンホール技術を用いて視覚情報化した「春/啓蟄」など、自己の体験を通じ、様々なアプローチでそれぞれ異なる表現の作品を発表してきました。しかしながらその本質は一貫して、多様に変化する人間の精神的なイメージとしての自然を記録しようとするものです。
本展で発表する新作は、支持体を印画紙から布に変え、日光写真の技法を用いたものです。制作のきっかけは、2011年の原発事故後、福島第一原発から約280km離れた神奈川県にある山本の自宅に面した公園で強い放射線量が計測されたというニュースでした。陽当たりがよく心地よい風の吹く公園から、ある日子供が消える。それまでそこにありながら意識されなかったものを形として残すために、山本は人の影そのものではなく、着用した時の服のしわを痕跡として残すことを考えました。まず始めたのは衣類に感光液をしみこませ、日光にさらすことで着用者の影を捉えることでした。そして、個々のしぐさやくせがそれぞれの体型に応じた影を作り、服の内側から滲んだ汗が像となるのを見るうちに、太陽によって成立する、支持体としての布と記録媒体である感光液との関係にも注目するようになります。身体の影や汗が密着露光された衣服上には、身近にありながらそれまで意識して感じることのなかった、未知のリアリティが現れます。それこそが、山本のいうところの「視覚情報化」された自然の形象なのでしょう。

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トークイベント
日時: 1月23日(土)17:00~18:00
会場: Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
登壇者: 山本渉、石川卓磨(美術作家、美術批評)
参加費: 無料
※事前予約制。お申込み方法は公式ホームページをご確認下さい。

スケジュール

2016年1月23日(土)〜2016年2月27日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2016年1月23日(土) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://www.ycassociates.co.jp/jp/information/wataru-yamamoto_yca2016/
会場ユミコチバアソシエイツ
http://www.ycassociates.co.jp/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-4-1 六本木ヒルズ ハリウッドビューティープラザ 3F
アクセス東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1c出口より徒歩1分、東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩11分
電話番号03-6276-6731
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