ヴァルダ・カイヴァーノ 展

小山登美夫ギャラリー

poster for ヴァルダ・カイヴァーノ 展
[画像: ©Varda Caivano]

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ヴァルダ・カイヴァーノの作品は、自然や風景を想起させるような色彩や線で構成されています。意図的に余白を残し、あえて未完にとどめたような描き方は、観る者の想像性をかき立てる豊かさや、限りない可能性を感じさせます。色彩は、初期の頃の鮮やかなものから、近年はグレー、ブルー、ブラウンを主とした抑制された色合いに変化しており、ペインティングに描き込まれた鉛筆のドローイングの線も、彼女の作品の大きな特徴です。2015年にシカゴのThe Renaissance Societyで開催された個展カタログの中で、美術評論家のテリー・マイヤーズは次のように述べています。「彼女の色彩は同時に、あるいは順に、境界を超え、矛盾や相反するものを起こし、連続性や軽快さを確立している。・・・(中略)ドローイングは、カイヴァーノの作品の中で重要な役割をもち、結果的に、カイヴァーノの作品に明晰さと複雑性をもたらしている。彼女のペインティングには鉛筆の線による長方形が描かれていて、キャンバスの枠の中に、さらなる枠のような機能を与えている。」(テリー・マイヤーズ「Change of Seen」『The DENSITY of the ACTIONS』The Renaissance Society at the University of Chicagoカタログ、2015年)またカイヴァーノは、同時に複数の作品の制作に取り組みます。実験、観察、熟考、発見、決断を重ねながら、色、線、素材や筆触、奥行きや密度をペインティングの中で表現し、彼女の思考の痕跡と作品自身が発し始める声や会話と重なる。この関係性が育つまでのある一定の時間を経て、ひとつの作品が完成します。このプロセスこそがカイヴァーノ作品の核といえ、またそこには過去一世紀半の美術史の痕跡さえもみることができます。この関係性は展示スペースでも継続し、広がり続けます。2009年に小山登美夫ギャラリー京都で開催された個展「The Inner Me」では、1枚の壁に5点の作品が並べて展示され、それらのペインティングはあたかも即興音楽を演奏しているかのようでした。また、2013年小山登美夫ギャラリーでの個展「In the Studio」では、壁面に飾られた作品の前の、床面にも作品を展示するという、作品と作品、作品と展示空間の関係性に対する実験的な展示方法を行いました。美術批評家の清水穣は、次のように評しています。「彼女の絵画は、多種多様な筆触と塗り残した余白によって、そして個々の作品と展示空間の壁面によって、さらにはインスタレーションと観客の視点によって生み出される、終わりのないコラージュである。
・・・(中略)カイヴァーノのインスタレーションは作品をタッチとする一枚の絵画であり、一枚の絵画はタッチによるインスタレーションなのだ。カイヴァーノの作品が「無題」であるのは、それが原理的にオープンエンドであり、観客自身が「次の一手」となってコラージュをさらに進行させ、さまざまな意味のフレームを感知する自由を享受するからなのである。」
(清水穣「Varda Caivano – Exploring “Untitled” Games of Painting」『Varda Caivano “Inner Me”』小山登美夫ギャラリーカタログ、2009年)画面に立ち現れる効果を感じながら、時間と空間の接点を定着させようと真摯に表現されたカイヴァーノの作品は、即興性と方向性、物質性と幻想性が同居した、まさに抽象絵画の可能性を追求するものといえるでしょう。本展は、小山登美夫ギャラリーでの3年ぶり3度目の個展となり、新作のペインティングを展示致します。新しい六本木のスペースの中で、彼女はどのように作品と作品、作品と空間を共鳴させるのでしょうか。

メディア

スケジュール

2016年12月16日 ~ 2017年02月04日

オープニングパーティー 2016年12月16日18:00 から 20:00 まで

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