舘鼻則孝 「CAMELLIA FIELDS」

KOSAKU KANECHIKA

poster for 舘鼻則孝 「CAMELLIA FIELDS」
[画像: 《Camellia Fields》 2017 © NORITAKA TATEHANA, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA]

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大学の卒業制作で発表し代表作となる「ヒールレスシューズ」がレディー・ガガの目にとまり、専属のシューメイカーとなったことで脚光を浴びた舘鼻則孝は、時代との相互関係で変化する自身を体現するような、多様な制作活動をしています。近年はアートの領域で精力的に発表、昨年11月から今年の3月まで、岡本太郎記念館で大規模な個展「呪力の美学」を開催しています。岡本太郎という圧倒的な存在と対峙しながら自身の作品世界を構築し、空間そのもの、体験そのものをつくりだすという大きな課題に挑み、作家として新たな展開を見せています。
その舘鼻が本展で発表する新作「カメリア・フィールズ」は、手彩色した真鍮鋳物の椿を3メートルもの広さに敷き詰めるインスタレーション作品です。2011年の3.11での体験を期に制作を開始した、自己の死を見つめる自刻像「トレーシーズ・オブ・ア・コンティニュイングヒストリー」、そして仏教の来世思想としての心中を、人形浄瑠璃文楽を通して描き、昨年パリのカルティエ現代美術財団で公演した舘鼻文楽「ラブスーサイズ・オンザブリッジ」に続いて生と死をテーマとする「カメリア・フィールズ」は、幼少期より過ごした鎌倉での風景が舘鼻の現在の創作活動と結びついたものです。また本展では代表作「ヒールレスシューズシリーズ」や、「ヘアピンシリーズ」、「フローティングワールドシリーズ」なども展示し、舘鼻の作品世界を存分に体感していただける内容となります。

本展の中心となる新作「カメリア・フィールズ」について、舘鼻は以下の文章を寄せています。
雨上がりに私が訪れた覚園寺の庭は、一面湿った苔で染められていました。その中にある大きな椿の根元には、その大木をかたち取るように雨で落とされた椿の花が赤く円を描いていました。椿の花弁は離れておらず、落ちる時には姿のまま落ちるわけですから、散るという感覚とは違います。近代以前、その姿が「潔い」と武士に好まれ寺院や武家屋敷には椿が植えられていたそうです。北条義時が私財を投じてまで建てた大倉薬師堂が前身だと伝えられている覚園寺は、建保6年より時を経て今もなおその姿を現代に伝えています。
過去、日本の美術史、そして歴史を見つめる。それは常に舘鼻の多様な制作の核にあります。自分自身が過ごした鎌倉という場所の記憶と、舘鼻が見た椿の大木のようにその場所連綿と続いてきた歴史。個人的な過去とより大きな歴史が重なり合うところに立ち現れる風景から、舘鼻は日本人の死生観とその美学を抽出し、作品化しています。
舘鼻のまなざしは常に現代にも向けられています。彼の代表作である「ヒールレスシューズ」は、遊女の履く高下駄から着想を得ていますが、古来より日本の土壌で培われた文と、西洋化された後の日本文化を統合することによって生まれ、現代日本のファッションとして世界で知られています。奇抜にみえる舘鼻の表現は脈々と受け継がれてきた日本の伝統、その系譜の先端にある最新のものであり、それが未来に残すべきものとして世界で評価されているのです。
また舘鼻の作品はコンセプトを体現するだけではなく、工芸的な手仕事によって命を吹き込まれたかのように、それら自身が独自性をもって存在しています。友禅染による絵付けを施した、花魁の高下駄をモチーフとした「フローティングワールドシリーズ」、アクリルで描かれたペインティングを丸ごと鏡面素材とも言える銀でコーティングしてしまう「エンボスドペインティングシリーズ」、遊女のかんざしから工芸品としての有用性を放棄し、モニュメンタルな 160cm の彫刻とした「ヘアピンシリーズ」などはどれも、素材のもっている生々しさをとどめ、力強い存在感を放っています。

メディア

スケジュール

2017年03月11日 ~ 2017年04月28日

オープニングパーティー 2017年03月11日18:00 から 20:00 まで

アーティスト

舘鼻則孝

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