PARCELアーティスト
Todd James, Antwan Horfee, Russell Maurice, Zbiok, Stachu Szumski, DIEGO
この度、6月から新しくオープンするギャラリー「PARCEL」のこけら落としとして「COMIC ABSTRACTION BY WRITERS」と題したグループ展を開催いたします。
この「COMIC ABSTRACTION BY WRITERS」というタイトルは 2007年にMoMAで開催された「Comic Abstraction」という展覧会に由来します。同展はポップアートの文脈からコミック表現を脱却させ、インターネット時代の新たな視覚言語として読み直すという内容でした。それから4年、ヨーロッパを拠点としている一部の作家が自分たちの活動を表す名称として、同展覧会のタイトルをそのまま使用しはじめます。これはロンドンのGalleries Goldsteinで2011年に開催された「Asbestos Curtain, a new phase in Comic Abstraction」 という展示に端を発し、当時の参加者の多くがグラフィティ・ライターでありながら、アートからファッションやグラフィックデザインまで領域を横断的に活動するアーティスト達でした。
1970年代後半のグラフィティの誕生より、ライター(グラフィティを描く人達)はレタリング表現、つまり文字をいかに面白く表現するかを競い合ってきました。次第に一部のライター達がレタリングの横に加えてコミックキャラクターを描きはじめます。ディズニーなどのメジャーなキャラクターや、ヴォーン・ボードのアンダーグランドコミックのサンプリングから始まり、1990年代にはライター達が独自の「グラフィティらしい」オリジナルのキャラクターを創出し、街の壁に描き始めました。 続いて90年台後半から00年台半ばにかけては、世界各国のライター達がこのようなキャラクター表現を発展させ、より抽象的で脱記号的なコミック表現へと発展させていきます。(これはインターネットで二次創作コミックスが広まる時期と重なります。)最初は1つのキャラクターの姿をグラフィティに描くことから始まり、そのうちにキャラクター同士をコラージュしたり、 またはコミックスに見られる背景の描画や吹き出しまでを表現に取り込み、コミックが生み出したあらゆる表現様式を作品に取り入れていきました。グラフィティは元来書道やカリグラフィーのように、文字の抽象表現を発展させていくアートフォルムでした。故にグラフィティの表現世界から生まれたComic Abstractionは、コミックスを解体し、新たな時代の視覚言語として再構築されたムーブメントと言えるのです。ライター達は世界各国のコミックスやアニメーションの歴史を掘り下げながら、都市の壁からインターネット、ファッション、グラフィックデザインにいたるまで、様々な分野のフィールドに表現を侵入させていっています。
本展覧会はこのようなComic Abstractionをひとつの動向として大体的に取り上げる、世界でも希にみる機会となります。
キュレーション: SIDECORE
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