「きっとそこには何かがあって」吉田和貴 展

積み上げられたデジタルプリントとラジオの音声。不可解な位置に床置きされた「U字溝」というシンプルなインスタレーション。展示とは、作品とは、写真とは何なのか思いをめぐらせる。

poster for Kazutaka Yoshida

「きっとそこには何かがあって」吉田和貴 展

にある
アート・&・リバー・バンクにて
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プリントされた10数種のデジタル画像は荒く、モザイク状になってしまった風景に迫ることは難しい。よく見れば、その一部にはピクセルひとつづつに文字を入れ込んだ一文のテキストが合成されている。画像とテキストを同列に扱う、ということらしい。それではそのかたわらで流れているラジオの音声は?写真や展覧会について、作家とその知人が語りポッドキャスト配信したものだというが、その内容は脱線しがちでとりとめのない印象を与える。荒いデジタル写真や、小さくて読みにくいテキストと一緒だ。

それではU字溝(駐車場で車の後輪にしかれているあれ)は?実はその微妙な位置は、上に立ったときに、ギャラリーの外を流れる多摩川の景色がよく見える場所だ。

何か特別なものを見ているわけではない。しかし、自分の身の回りを取り囲んでいるものに対して少しだけ意識的になる。そういった「行為」の集積がこの展示なのではないだろうか。しかしそれこそが正に「写真的」行為であることには間違いがない。U字溝にのって「多摩川」を見ながら、ふとそんなことを考えた。

Makoto Hashimoto

Makoto Hashimoto. 1981年東京都生まれ。横浜国立大学マルチメディア文化課程卒業。ギャラリー勤務を経て、フリーのアートプロデューサーとして活動している。主な企画展にReading Room (BankART Studio NYK/2005年)、都市との対話(BankART Studio NYK/2007年)、The House「気配の部屋」(日本ホームズ住宅展示場/2008年)など。2006年11月より横浜ベイクォーター内 「ギャラリーBOX」の作品展示をP3 art and environmentの芹沢高志と共に企画・制作。また、TABの他にポータルサイト「AllAbout アート・美術展」 「REALTOKYO」、雑誌「BT/美術手帖」「ARTiT」「美術の窓」などでもアート関連記事を執筆している。 展覧会のお知らせや業務依頼はhashimoto[AT]diacity.netまでお気軽にどうぞ。 ≫ 他の記事

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