Tokyo Art Map ミニ企画「タムくんと”未来”の未来ちゃん」

漫画家ウィスット・ポンニミットさんにインタビュー。

poster for

「JACKET WORKS」展

新宿エリアにある
blind galleryにて
このイベントは終了しました。 - (2012-06-28 - 2012-07-16)

poster for Tam Tori

タムトリ 「未来ちゃんの未来」

新宿エリアにある
blind galleryにて
このイベントは終了しました。 - (2012-06-01 - 2012-06-24)

In TABからのお知らせ 特集記事 by TABインターン 2012-07-03

Tokyo Art Map 7-8月号の表紙に登場してくれたのは、タイの漫画家「タムくん」ことウィスット・ポンニミットさんです。

撮影の舞台となったのは、つい先日までタムトリ展「未来ちゃんの未来」が行われていた代々木のアートスペース、blind gallery

この展示は、写真集『未来ちゃん』で知られる写真家・川島小鳥さんとタムくんの二人展で、会場には、小鳥さんによる「未来ちゃん」のオリジナルプリントと、タムくんがそこからインスピレーションを得て「未来ちゃんの未来」をテーマに描き出した原画が並びました。

インタビューでは、「女の子」をテーマに、タムくんが描くキャラクターの魅力を探ります!

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インタビューの様子。会場は長細い造りになっています。▼ニックネーム「タムくん」の由来を教えてください。
特に深い意味はないみたい。というのも「タム」は僕が生まれたときに、流行っていた呼び名だったの。タイでは、お坊さんにちゃんとした名前を付けてもらうのだけど、その前に母が僕のことを呼んでいた名前が「タム」だったんだ。

▼最近は漫画短編集『ヒーシーイット オレンジ』の刊行やライブイベントの開催など、とっても忙しそうですね。
仕事のオファーが入ったとき、僕がやりたいことや、やれることだけを選んでやるんじゃなくて、なんでもやってみるようにしている。出来るかどうかわからないことでも、やってみることが大切だと思うから。その方が、可能性が広がるでしょ?

▼今回、小鳥さんと二人展をすることになったきっかけは?
小鳥くんとは、写真家の梅佳代ちゃんの紹介で知り合ったんだ。たまたま、僕も小鳥くんも同じ出版社(ナナロク社)から本を出していたことがあって、仲良くなった。今回の二人展は小鳥くんの提案なんだ。



Tokyo Art Map (=TAM) とタムくん。なんだか親近感を感じます!



▼未来ちゃんを小鳥さんの写真で見たときの印象を聞かせてください。
そこにずっといそうな感じで、性格も想像つかない。未来ちゃんは、特別なのだと思う。自然で、僕のことを気にせず、堂々としている。

▼未来ちゃんには実際に会いましたか?
会ったよ。今4歳かな。この写真よりは大きくなっていたよ。

▼タムくんはどんなストーリーを考えて未来ちゃんを描いたのでしょうか?
作品を描く前にまず、小鳥くんに聞いたの。「未来ちゃんがどんな子かよく分かんないから、分かんないまま想像して描いていい?」って。そうしたら、小鳥くんも「その方がいい」って。だから、僕の描く未来ちゃんにはいろんな可能性があった。一つの「未来の未来ちゃん像」を決めて描いたのではなくて、一つ一つの作品にそれぞれ全く違うストーリーを考えて、いろんな未来ちゃんを描いたよ。

▼この“未来”の未来ちゃんは何歳頃を想像しての描かれたのでしょうか?
時間も、10年後にこうなっているとか、そんな風に決めて描いたわけじゃないんだ。例えば、写真の中で枯れ葉の上に寝転がっている未来ちゃんは、大きくなってそこが地球の上だと気づく、という作品。これは、未来ちゃんが同じ場所で同じ格好をしても、体が大きくなったら、ものの見え方が変わるっていうことをテーマに描いたんだよ。

▼最初に決めるのはストーリー? それとも、キャラクター?
ストーリーやキャラクターよりも、先に考えるのはメッセージ。いつも伝えたいメッセージがあって、それに合わせてストーリーを考えていく。キャラクターは、ストーリーに合わせて選ぶから最後。映画のキャストを決めるときみたいにね。



怖い顔で何かを食べる写真の「未来ちゃん」(左)と、ケーキとキャンディーの選択に迫られる「未来の未来ちゃん」(右)。



▼タムくんの描く女の子はみんな魅力的ですね。タムくん自身はどんな女性が好みですか。
僕は女性らしい人が好きです。でも別に、髪が長いとか、スカートって言う意味ではないよ。僕は男だから、女の子のことは全然わからない。いつも女の子のキャラクターを描くときは、多分女の子はこんなこと考えるだろうな、こんな風に思うだろうな、って考えながら描いている。それは、女性の描く女の子のキャラクターとはきっと違うよね。女の子のことは、わからないから魅力的に見えるし、もっと知りたいな。

▼女性のどういうところが不思議?
弱さとか、気分とかいろいろあるけれど。女の子って見えないところまで気をつかうじゃない?脚とかすごくキレイ。女の子の脚を描くのは好きです。男の脚は、汚いよね。男を描くときは、モンスターみたいに描くのが好き。毛がいっぱいとか、顔が激しくブサイクとか(笑)

▼女の子を描きたい気分と、男の子を描きたい気分とではどちらが多いですか?
半分ずつかなぁ。女の子ばかりでも多すぎるし。男の子ばかりだと、戦争の話になっちゃいそう。バランスだよね。男の子が100人いる中に、女の子を一人入れると、ほら、それだけですごく、ストーリーが生まれるじゃない?『ヒーシーイット オレンジ』も、男の人と女の人のバランス。ほら、「he=彼」「she=彼女」「it=それ以外」でしょ。ときどき、「he」は僕で、「she」は彼女。でも「she」は友達でもあるし、僕自身であることもある。

▼それはタムくん自身の中にも女の子がいるってこと?
そう思うよ。だって、ほら、こんなかわいい絵を描くんだもん(笑)。まぁ、男だからこう描くのかもしれないけれど。

—— ありがとうございました!
多種多様なキャラクターが、一人の人間から描かれるのはとても不思議なことです。男性であるタムくんが、どうしてこんなにも魅力的な女の子たちを描けるのだろう。その答えは「未知」にあるのかもしれません。タムくんは女の子のことが「わからない」からこそ、いろんな可能性が描けるのでしょう。それは、想像のつかない「未来」を好きなように描くことと少し似ているように思いました。

希望に満ちた「未来ちゃん」のパワーが一人でも多くの人に届きますように!



会場では、うちわや手ぬぐいといったユニークなグッズの販売も行われていました。未来ちゃんガチャガチャに挑戦。タムくん直筆のプラパンキーホルダーや缶バッチをゲット!



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[TABインターン]
Ai Kiyabu: 89年生まれ。美学を専攻する大学生。編集者目指して、雑誌「GINZA」でアルバイト中。Sputniko!展にスタッフとして参加後、アートと社会の関わりに興味を抱く。趣味はアウトドア。バッグ一つで生きていける人生を模索中。
服部真吏: 昭和の砦、88年生まれ。東京都出身。都内大学院で西洋美術史学を専攻し近代建築を研究中。好奇心旺盛な食いしん坊。人と作品、人と人との出会いを応援したい。
Kohei Tsurumoto: 広告デザインを学ぶ89年生まれの大学生。バウハウスの展示とオラファー・エリアソンの作品に感銘を受けてデザインとアートの世界に興味を持つ。編集者目指して活動中。

TABインターン

TABインターン. 学生からキャリアのある人まで、TABの理念に触発されて多くの人達が参加しています。3名からなるチームを4ヶ月毎に結成、TABの中核といえる膨大なアート情報を相手に日々奮闘中! 業務の傍ら、「課外活動」として各々のプロジェクトにも取り組んでいます。そのほんの一部を、TABlogでも発信していきます。 ≫ 他の記事

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