いつもと違う時間、場所を過ごすための朝食会

としまアートステーション「Z」で活動中のL PACKにインタビュー

In 特集記事 by 東京文化発信プロジェクト 2012-09-06

残暑が厳しいこの季節、早く起きてしまったり、いつもとちょっと違う朝ごはんを食べたい、なんてことありませんか。今回ご紹介するのは、8月から行われている朝食イベント「『L AND PARK』でgood morning ~たとえば、いつもより早く起きてモーニングを食べてみるとする~」です。

会場は、昨年度オープンした、としまアートステーション「Z」。
ここは東京メトロ雑司が谷駅直結、都電鬼子母神前駅近くの豊島区立千登世橋教育文化センター地下1階にあります。「としまアートステーション構想」は、豊島区内で創作活動をしている人たちをつなげる機会やサポートする取り組みとして、このとしまアートステーション「Z」を拠点にいくつものアートプロジェクトやイベントを開催してきました。

参加アーティストのひとり、コスチューム・アーティストのひびのこづえさんは、舞台衣装などで使われた布のはぎれで虫のブローチをつくるワークショップを開いています。EAT&ART TAROさんと中山晴奈さんは、「キッチンプロジェクト」と題して、ダチョウのたまごを使って料理するなど実験的な食のプロジェクトを展開しています。他にも、EAT&ART TAROさんが、食から街を見直そうと周辺で購入したものを持ち寄る「ポットラックパーティーとしま」、演出家の阿部初美さんが自身の子育ての経験を通じて開くワークショップ、劇作家の岸井大輔さんが街歩きを行う舞台となる豊島区をリサーチしながら作品を制作するプロジェクトなど、6組のアーティストが7つのプロジェクトを「Z」を拠点に展開しています。

ダチョウのたまごを使ってパンケーキをつくる実験に子どもも大人も大興奮だったとか舞台衣装の制作で使われた布のはぎれなどがカラフルな虫のブローチに。ひびのこづえ「虫をつくる」ワークショップは次回9月8日に開催

としまアートステーション「Z」があるこの場所は、普段はこの施設内のプールを利用する親子連れ、近所に住むおじいさんおばあさん、この駅を利用するサラリーマンなどさまざまな目的で幅広い年代の人たちがふらっと集まってくる場。

今回紹介する「『L AND PARK』でgood morning ~たとえば、いつもより早く起きてモーニングを食べてみるとする~」は、そんないろんな人たちと朝食をとろう、とカフェユニットL PACK(エルパック)の小田桐奨さんと中嶋哲矢さんが企画したものです。
お二人に話を聞きながら、人との出会いやコミュニケーションのきっかけをつくるイベントの内容をご紹介します。

中嶋哲矢さん小田桐奨さん

──「つくる」とか「勉強する」というワークショップやイベントはよくありますが、「朝ごはんを食べる」というイベントは新鮮ですね。
僕たちはアート活動をしている、というよりも、展覧会やアートイベントの隣でコーヒーをいれる担当、のような気持ちで活動をしています。
そもそも僕たちの活動は2007年ごろから、アーティストの展覧会のオープニングに合わせて、バックパックに道具を詰めて出かけて、その場でコーヒーをいれて提供する、ということからはじまっています。
その後、横浜でのアートイベント「黄金町バザール」をきっかけに、竜宮美術旅館で喫茶店のように飲食を提供する活動をしばらくしていて、そこでときどき朝食イベントは行っていました。
としまアートステーション「Z」での朝食イベント「『L AND PARK』でgood morning」は、昨年度から引き続きしていて、その季節に応じた朝食を出しています。

── お客さんはどのような方たちがいらっしゃるのでしょうか。
実にいろんな人たちがやって来て、新しい出会いや交流が生まれています。
僕たちは「このスペースで朝食を取りながら、いつもとは違う朝の時間や空間を過ごしてほしい」と提案していこうとしているので、今年度は毎月第2日曜と月曜にオープンしています。
日曜だと、地元の方だけがいらっしゃるのではなく、アートに興味のある方や僕たちの知り合いなどが遠くから来て、ゆっくりブランチを楽しんでいただいています。
月曜は、この駅を利用しているサラリーマンやOLの方が寄ってくださり、僕たちと話をして出勤されていきます。

ゆっくりと朝食を友達と取る日曜

── そもそも「L PACK」って、面白い名前ですね。
僕たちのユニット名には特に意味はありません。
よく「Lは何ですか?」と聞かれるのですが、記号みたいな形だな、と軽く考えているくらいです。
また、このイベントタイトルに「PARK」と付けたのは、としまアートステーション「Z」を人が集まる公園のようなもの、としてとらえたからです。
僕たちL PACKは公園の管理者ではなく、僕たちも公園をつかう立場として、僕たちと公園=「L AND PARK」というイベントタイトルにしました。

長野でレジデンスしたときに手に入れた飲食物など、L PACKが全国各地で手に入れた品々を販売する「KIOSK」

── このイベントは「朝食を食べる」ということだけを楽しむものでしょうか。
朝は「起きる」ことが重要です。
いつもと違う時間に起きて、普段乗らない電車に乗って、このスペースに着く、そんな話を僕たちはお客さんと交わしたいので、朝食を食べることは二の次かな(笑)。
それと「公園での朝食はやっぱり新聞を片手にコーヒー」というイメージからの通り、僕たちがつくった「L AND PARK TIMES」という新聞も配っています(朝食イベント参加の方は無料、新聞のみの場合は100円で販売)。
内容は、僕たちの活動記録ではなく、どうやって僕たちの活動を楽しむか、というもの。
基本的に読者の方からの寄稿を記事にしているので、ぜひ「L AND PARK TIMES」にも参加してください。

L PACKが発行する新聞を読みながらコーヒー

── 次の「L AND PARK」でgood morningの開催について教えてください。
8月はお盆があったので時期がずれましたが、9月以降11月まで毎月第2日曜の朝9:00~11:00と月曜の朝7:30~9:30にオープンします。
毎回テーマは異なり、だいたい直前に僕らが食べたいものを選んで出しています。
8月のテーマは「フルーツ」でしたが、9月は間近になるまでヒミツです。
期待して、9月9日・10日にとしまアートステーション「Z」でお会いしましょう!


■「L AND PARK」でgood morning ~たとえば、いつもより早く起きてモーニングを食べてみるとする~
日程:9/9(日)・10(月)、10/14(日)・15(月)、11/11(日)・12(月)
日曜日 9:00~11:00 月曜日 7:30~9:30
料金:¥500-(モーニング+コーヒー、「L AND PARK TIMES」付き)
*内容により別途料金がかかる場合があります
http://toshima-as.jp/projects/2012/landpark.html



ゲストライター:藤田千彩 アートライター。1974年岡山県生まれ、東京都在住。文章を書くことで、人にアートを伝える・記録する係として活動中。

写真協力: としまアートステーション構想事務局

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