公開日:2015年4月16日

さいたまのアートスペースへお出かけ!

大宮駅を起点に、新たな発見を探しに行きましょう

さいたま市には多くのアーティストが住み、2016年にはさいたまトリエンナーレが開催されるなど、アートなまちでもあります。今回はさいたま市の中でも、大宮駅周辺のアートスペースをまとめました。

「アーツさいたま・きたまちフェスタ」2015年2月撮影
「アーツさいたま・きたまちフェスタ」2015年2月撮影

■プラザノース
プラザノースは、市民交流施設や美術ギャラリーだけだなく、区役所・図書館・ホールを併せ持つ複合施設です。生涯学習や文化活動、また文化芸術情報の発信の場として、多くの人に利用されています。

大宮駅からニューシャトルへ乗り換え、加茂宮駅で下車。駅より徒歩5分。

今年2月、「アーツさいたま・きたまちフェスタ(ASK祭)」が開催されました。
ASK祭とは、さいたま市北区・きたまちエリアにおける現代アートイベントです。アートに関する知識や作品に込められた意味を探るよりも直感的に感じることを重視し、アートとの距離を縮めるきっかけを作ることをねらっています。


会場はプラザノースだけでなく、プラザノースとの連絡通路を通ったショッピングモール・ステラタウン、そしてその隣の大宮北ハウジングステージでした。出展者は、ASK祭の代表を務める飯島浩二や、瀬戸内国際芸術祭 2013に出展した角文平など総勢8名です。映像作品やインスタレーションなど、現代アート好きにはたまらない展覧会でした。またショッピングモールが目の前にあるので、家族連れの方が多いのが印象的でした。
アーツさいたま・きたまちフェスタ 公式サイト

■さいたま市大宮盆栽美術館
その名の通り「盆栽」に焦点をあてた日本で唯一の、公立の盆栽美術館です。盆栽そのものや伝統技芸だけでなく、盆栽に関する文献も収集・展示しています。

盆栽テラスより
盆栽テラスより
写真提供 さいたま市大宮盆栽美術館

JR宇都宮線土呂駅より徒歩5分ほどの大宮盆栽美術館は、さいたま市北区の盆栽町にあります。一帯が盆栽町と名付けられたのには、歴史的な経緯があるそうです。かつて、東京都・千駄木団子坂近辺には多くの盆栽業者がいました。しかし大正12年に起こった関東大震災をきっかけに、良質な水・空気・土地を求めて、現在盆栽町のある場所へと集団で移り住んだのです。そして、盆栽の技術がそこに集約し、盆栽業の拠点となりました。現在、盆栽町には6つの盆栽園があり、盆栽の販売や教室を開いて盆栽の魅力を広めています。大宮盆栽美術館は、盆栽の歴史や魅力を伝えるために建てられました。
館内は、室内展示と屋外展示に分かれています。室内展示は盆栽の席飾りを中心に、盆栽にまつわる用語の解説や、鑑賞の仕方をまとめています。初めて盆栽を芸術として鑑賞する人向けに分かりやすく説明しています。また、掛け軸とともに座敷に飾られている盆栽も観ることができます。

2015年2月撮影
2015年2月撮影
2015年2月撮影
2015年2月撮影

屋外の盆栽庭園では、常時40~50の盆栽が展示されています。展示内容は、季節に合わせて一番見頃の盆栽を展示しています。また、季節や盆栽の状態により、室内に展示していた盆栽を閉館後に屋外に出して水やり等の手入れをし、翌日の開館前に室内に戻すなど、一鉢ずつきめの細かい手入れをしています。盆栽はとても繊細な作品だと感じました。また、盆栽は進化し続ける芸術作品です。展示している以上、展示作品は完成作品ともいえますが、常に生長し日々の変化がある、未完成の芸術という側面も持っています。それが現代アートのようで、興味深かったです。

■鉄道博物館


JR東日本の創立20周年記念事業のメインプロジェクトとして設立された博物館です。入場券を購入する以外に、普段使っているSuicaでも入館できます(入館チケット販売機で登録が必要)。改札を通るようにタッチするのが面白いです。


博物館内はとても広く、建物の延べ床面積は28,200平方メートルです。館内では、日本や世界の鉄道に係る遺産や資料を展示したり、シミュレーションや模型を使って鉄道の原理や仕組みを解説したりしています。
これらの他に実物の車両等も展示しています。新幹線や寝台列車、明治〜昭和の時代を駆け抜けてきた数々の車両が展示されています。車内に入れるものもあり、当時の電車の音を体験できました。まるでタイムスリップしたかのようです。
また特別企画展として、「東京駅 開業100周年記念『100年のプロローグ』」が開催されていました(会期終了)。東京駅ができるまでと、できてからの変遷をたどる展覧会です。今はビルが並んでいる日本橋や新橋には当時高層の建物は何もなかったり、新橋駅前には馬車鉄道が通っていたりと、現在の東京とは全く異なる風景を見ることができました。

私自身、学生時代にさいたま市に住んでいましたが、どのスペースも今回初めて訪れました。自分の面白いと思うものを否定せず受け入れてみれば、新鮮で楽しいと思えるものを発見できると思います。さいたま市ではアートに通じる様々な出会いが待っているかもしれません。

[TABインターン] 海沼響: 伊豆出身。地元の変わった美術館を巡り、アートの対象の広さに関心を抱く。現在は、現代美術を中心にわくわくする展覧会へ足を運ぶ。好物はもふもふするもの。

TABインターン

TABインターン

学生からキャリアのある人まで、TABの理念に触発されて多くの人達が参加しています。3名からなるチームを4ヶ月毎に結成、TABの中核といえる膨大なアート情報を相手に日々奮闘中! 業務の傍ら、「課外活動」として各々のプロジェクトにも取り組んでいます。そのほんの一部を、TABlogでも発信していきます。