公開日:2016年4月26日

「あいちトリエンナーレ2016」発表。世界中のアーティストが集う国内最大級の祭典

【Art Beat News】テーマは「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」、海外アーティストの出身国・地域が拡大

国内最大級の現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2016」がこの夏開幕する。
開催期間は2016年8月11日(木・祝)から10月23日(日)までの74日間。現代アートだけでなく、ダンス、オペラなどの舞台芸術も同時に展開され、街中でも作品展示やさまざまな教育プログラムが実施される。

あいちトリエンナーレ2016 記者発表会の様子
あいちトリエンナーレ2016 記者発表会の様子

3年に1度開催される「あいちトリエンナーレ」の今年のテーマは、「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」。芸術監督は、南米での滞在経験を持つ写真家・著述家の港千尋が務める。国際展のキュレーターは、国内のメンバーに加えて、ブラジルのダニエラ・カストロと、トルコのゼイネップ・オズを招聘。今回は特に海外アーティストの出身国・地域が拡大しており、計100組以上のアーティストが世界各地から集う、名実ともに国内最大級の祭典といえる。

アーキテクツ・オブ・エアー 《ペンタルム》 2013
アーキテクツ・オブ・エアー 《ペンタルム》 2013
photo: Alan Parkinson

菅野創 + やんツー 《セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ #2 - レターズ》 2015
菅野創 + やんツー 《セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ #2 - レターズ》 2015
photo: 宮脇慎太郎

田附勝 《鹿撃たれる》
田附勝 《鹿撃たれる》
岩手県釜石市2009年11月 2009 Courtesy of the artist and GALLERY SIDE 2 copyright Masaru Tatsuki

大巻伸嗣 《Echoes-Infinity》
大巻伸嗣 《Echoes-Infinity》
「MOMENT AND ETERNITY」Third Floor-Hermès Singapore 2012 Created with the support of the Fondation d’entreprise Hermès for Third-Floor Hermès Gallery -Singapore 2012.

参加アーティストの内訳は、現代美術の国際展が計80組、映像プログラムが計4組、舞台芸術のパフォーミングアーツが計10組。現代美術のアーティストについては、今後も追加される可能性がある。また、国際展の中では、参加アーティストによる展示に加えた小企画として「コラムプロジェクト」を実施。展示のみならずレクチャー、ワークショップなど、さまざまな形式のプロジェクトを実施予定。また、10月7日から会期終了までの期間は「レインボーウィークス」とし、パフォーミングアーツの公演を集中して開催する。その他にも、普及教育として、アートに触れられる「ダミコルーム」や「キャラヴァンファクトリー」といった設備も設けられる予定だ。

青木涼子 『秘密の閨』試演 2012
青木涼子 『秘密の閨』試演 2012
Courtesy of the artist

今回の開催の狙いのひとつは、従来のアートの定義を再考し、その枠組みを拡大すること。その一環として、ディアンドデパートメントプロジェクト(デザイン)、ハーバード大学感覚民族誌学ラボ(文化人類学)、関口涼子(文学)などを紹介。パフォーミングアーツにおいては、フラメンコの革命児、イスラエル・ガルバン、能と現代音楽を融合させた青木涼子、愛知県奥三河地方の神事の「花祭」をベースにコンテンポラリーダンスを行う山田うんらが参加する。

イスラエル・ガルバン
イスラエル・ガルバン
photo: Luis Castilla Fotografia

芸術監督の港千尋は、「国際展はブラジル、トルコを拠点にするキュレーターの招聘で、参加アーティストの出身国・地域が拡大した。今まで紹介されることの少なかった中南米や中近東、アジアなどの幅広い地域からアーティストが出展する。地域的にもジャンル的にも枠組みを拡大する展開を行う。舞台芸術でも従来のジャンルを越境するような作品を上演。「レインボーウィークス」により、来場者が滞在期間中に複数の演目を見ることができるよう試みる」と語る。

■概要
会期:2016年8月11日(木・祝) 〜 10月23日(日)
会場:愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋市内のまちなか(長者町会場、栄会場、名古屋駅会場)、豊橋市内のまちなか(PLAT会場、水上ビル会場、豊橋駅前大通会場)、岡崎市内のまちなか(東岡崎駅会場、康生会場、六供会場)
http://aichitriennale.jp

(Text: 玉田光史郎 Koushiro Tamada)

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