公開日:2016年9月9日

9月10日、天王洲アイルに新スペース「TERRADA Art Complex」がオープン!

児玉画廊、URANO、山本現代、ユカ・ツルノ・ギャラリー、作家のアトリエスペースが入居するアートの新拠点

児玉画廊、URANO、山本現代、ユカ・ツルノ・ギャラリーが入居する新スペース「TERRADA Art Complex」が2016年9月10日、東京・天王洲アイルにオープンする。

Photo: Yuichiro Tamura
Photo: Yuichiro Tamura

TERRADA Art Complexは、従来の倉庫業の枠組みを超え、預かったものの価値を高めて後世に引き継ぐための保存保管技術の追求、空間活用のノウハウを活かした文化発信を行っている寺田倉庫が、アート事業の一環としてオープンする。

倉庫建築を活かしたギャラリースペースは、大型作品にも対応できる天井高5メートルの空間だ。ほかにも同ビルには美術品輸送会社「Helutrans-Terrada株式会社」の事務所、アーティストのためのアトリエスペース「T-Art KȎBȎ」が入居している。天王洲が新しいアートの拠点となる。

同スペースは、空港や新幹線からのアクセスが良い品川駅と天王洲アイル駅間の、水辺のロケーション。先駆的な現代美術のギャラリーが一堂に会し、今後の展覧会会期も合わせて開催される予定。ワンストップで様々な展覧会を観られるようになる。

TERRADA Art Complexのオープンに伴い、URANOと山本現代は白金のギャラリーコンプレックスから、ユカ・ツルノ・ギャラリーは東雲のアートセンターTOLOTからそれぞれ移転。児玉画廊は白金のスペースを残し、京都店を天王洲に移転し東京2店舗体制となる。

なお、ディレクターの浦野むつみが荒谷智子とともに2007年に開廊した「ARATANIURANO」は、 2012年の白金移転以降浦野がソロでディレクションを務めており、このたびの移転に伴い名称を「URANO」に変更する。

貴志真生也《リトル・ヘラクレス 2》
貴志真生也《リトル・ヘラクレス 2》
2010, ©Maoya Kishi

同スペースがオープンする9月10日(土)から、それぞれのギャラリーで4つの展覧会が同時スタートする。

児玉画廊では、展覧会シリーズ “ignore your perspective” の第35弾「外見の違うハードコア」を開催。
美術の歴史における中心核:「ハードコア」に連なることを志した制作を直向きに続けている作家に目を向ける。彫刻的なるものの分析に基づいた反証を、新たな美術制作の一形態としようと挑み続けている貴志真生也、絵具を皮膜にすることによって「oil on cavas」でありながらも一般的な絵画とは一線を画した絵画面を作り出す関口正浩、「イメージにボディを与える」というテーマを掲げ制作する和田真由子の3名の作品を紹介する。

児玉画廊|貴志真生也、関口正浩、和田真由子
ignore your perspective 35「外見の違うハードコア」
会期: 9月10日 (土) 〜 10月22日 (土)
営業時間: 11:00〜18:00(火〜木/土)11:00〜20:00(金)日・月・祝休廊
http://www.kodamagallery.com/

淺井裕介《生きとし生けるものへ》
淺井裕介《生きとし生けるものへ》
2016, ヴァンジ彫刻庭園美術館, ©Yusuke Asai

URANOでは、現地で採取した土と水で描く「泥絵」、植物のように壁に拡がるマスキングテープの上にペンで描く「マスキングプラント」、道路用の白線素材を地面に焼き付けて描く「植物になった白線」など、身の周りの様々な素材を用いて制作する淺井裕介の個展「胞子と水脈」を開催する。
現在ヴァンジ彫刻庭園美術館で開催されている「生きとし生けるもの」展のほか、ヒューストンのRice University Art Gallery、東京都現代美術館、箱根彫刻の森美術館、青森県立美術館にて立て続けに泥絵の大作を発表し注目を集めている淺井。これまでの山や森といった地上のイメージの増殖だけでなく、地中の水(水脈)や湧き出る泉のイメージも加わり、根源的な生命の豊かさや繋がりを表現する。

URANO|淺井裕介「胞子と水脈」
会期: 9月10日(土)〜10月15日(土)
営業時間: 11:00〜18:00(火〜木・土)11:00〜20:00(金)日・月・祝休廊
http://www.arataniurano.com(9月10日以降新ウェブサイトに変更予定)

ナイル・ケティング《Person》
ナイル・ケティング《Person》
2014, ©Nile KOETTING

山本現代では、様々なマテリアル・メディアを先駆的に扱うナイル・ケティングのオブジェクトや、歴史的美術作品をモチーフにイメージの転換と組換えを「絵画」の中で展開する今津景の新作巨大ペインティング、今年のあいちトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭(秋)にも参加する小林耕平のヴィデオ作品、宇治野宗輝の家電等の大量生産される製品を用い、サウンド・インスタレーションに昇華する作品《ザ・ローテーターズ・シリーズ》とで構成するグループ展「Welcome to the A W E S O M E M A N S I O N」を開催する。

山本現代|ナイル・ケティング、小林耕平、今津景、宇治野宗輝
「Welcome to the A W E S O M E M A N S I O N」
会期: 9月10日(土)〜10月15日(土)
営業時間: 11:00〜18:00(火〜木・土)11:00〜20:00(金)日・月・祝休廊
http://www.yamamotogendai.org

ホセ・パルラ《Small Golden Suns》
ホセ・パルラ《Small Golden Suns》
2016, ©Parlá Studios

ユカ・ツルノ・ギャラリーでは、NYを拠点とするペインター、ホセ・パルラの2013年以来、国内2度目となる個展「Small Golden Suns」を開催する。
パルラ特有のリズミカルなカリグラフィーが鮮明な色彩の背景に重なり合った大型作品《Small Golden Suns》を中心に、約1年かけて同時に描かれた様々なサイズの最新作十数点によって構成。このシリーズを通して、パルラは今日の世界中の子どもたちの状況を懸念しながら、輝く太陽である子どもたちを讃え、幼少期から芸術に触れることの大切さ、そしてアートが持つ力とその可能性について言及している。

ユカ・ツルノ・ギャラリー | ホセ・パルラ「Small Golden Suns」
会期: 9月10日(土)〜12月3日(土)
営業時間: 11:00〜18:00(火〜木・土)11:00〜20:00(金)日・月・祝休廊
http://www.yukatsuruno.com

■TERRADA Art Complex 詳細
住所: 〒140-0002東京都品川区東品川1-33-10
※ギャラリースペースは3F
http://www.terrada.co.jp/ja/

Text: Kyo Yoshida

Art Beat News

Art Beat News

Art Beat Newsでは、アート・デザインにまつわる国内外の重要なニュースをお伝えしていきます。