年末年始もオープン。東京近郊の美術館・ギャラリーまとめ

年末年始の展覧会納め・初めの参考に。東京近郊を中心に、12月25日以降もオープンしている美術館・ギャラリーの年末年始の休館情報をまとめました。

In Art Beat News by Chiaki Noji 2019-12-25

12月25日から冬休み期間に入るかたもそうでないかたも、年末年始に作品鑑賞はいかがでしょうか? 12月25日〜1月5日の間も展示を行う美術館・ギャラリーの展覧会を、東京近郊を中心に紹介します。

大晦日・元旦も無休の3館

◎森美術館「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」
「都市の新たな可能性」「ネオ・メタボリズム建築へ」「ライフスタイルとデザインの革新」など5つのセクションで100点を超えるプロジェクト・作品を紹介する「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」(〜3月29日)を開催中の森美術館。年末年始も無休、さらに通常火曜日は17:00閉館のところを12月31日(火)に限り22:00まで延長開館するため、2020年を迎えるぎりぎりまで美術鑑賞を楽しむことができます。もちろん、1月1日も10:00からオープン。

◎ポーラ美術館「シュルレアリスムと絵画―ダリ、エルンストと日本の『シュール』」
シュルレアリスム誕生から100年。西洋におけるシュルレアリスムの運動から、どのようにシュルレアリスム絵画が生まれたのか、そして超現実主義から、いわゆる「シュール」と呼ばれる独自の表現への展開に焦点を当てるポーラ美術館の展覧会「シュルレアリスムと絵画―ダリ、エルンストと日本の『シュール』」(〜4月5日)も、年末年始無休で鑑賞できます。会場に並ぶのは、シュルレアリスムの代名詞でもあるジョルジョ・デ・キリコ、サルバドール・ダリ、マックス・エルンストのほか、戦後の日本から吉原治良、瑛九、岡上淑子。そして現代の束芋、成田亨、つげ義春の作品が一堂に会します。

◎彫刻の森美術館「箱根ナイトミュージアム」
彫刻の森美術館は1969年に開館した、国内初の野外美術館。近・現代を代表する彫刻家の作品約120点が常設展示されています。国内随一のピカソ・コレクションを誇るピカソ館が今夏リニューアルしたことも話題となった同館では、常設展に加え「箱根ナイトミュージアム」(〜1月5日)が開催中。照明や映像を用いて光の可能性に挑むアーティスト・髙橋匡太が屋外展示場と野外彫刻を活かしたライトアップを行っています。貸し出し無料の提灯を片手に広大な敷地を散策するのもおすすめ。

上野エリアは1月2日からスタート

上野エリアの主要美術館では、年始は一律で1月2日から開館するいっぽう、年末の最終日は26日、28日、31日までとばらつきが。お出かけの際にはご注意ください。

◎12月31日〜1月1日が休館
大晦日と元旦のみ休館するのは、「ゴッホ展」(〜1月13日)が人気の上野の森美術館。本展は、ゴッホに影響を与えた「ハーグ派」と「印象派」の作品を交えながら画業の変遷をたどり、ゴッホが後期印象派を代表する画家の一人になるまでを紹介するというもの。《糸杉》《麦畑》《薔薇》をはじめ、これまで日本で紹介される機会の少なかった約40点のゴッホ作品に加え、マウフェやセザンヌ、モネなどの作品約30点が集まります。

◎12月28日~1月1日が休館
国立西洋美術館の「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」(〜1月26日)と国立科学博物館の「ミイラ ~『永遠の命』を求めて」(〜2月24日)と「絵本でめぐる生命の旅」(〜3月1日)はともに4日間の冬休みです。

◎12月26日〜1月1日が休館
上野エリアで一足早く冬休みに入るのは、カタール国の王族であるシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集したコレクションが来日する東京国立博物館の「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」(〜2月9日)。「人」「神」「自然」のテーマに沿って、古代の人々の死生観、神や自然への意識が反映された美術工芸品117件を厳選しています。

現代アートを見るなら

年末年始の東京で現代アート作品を見るなら、東京都現代美術館、東京国立近代美術館、ワタリウム美術館の3館をおすすめします。

◎東京都現代美術館「ダムタイプ|アクション+リフレクション」(休館日:12月28日〜1月1日)
1984年、京都市立芸術大学の学生を中心にマルチメディア・パフォーマンス・アーティスト集団として京都で結成された「ダムタイプ」。中心的存在の古橋悌二(1960-1995)をはじめとするメンバーが独自の表現活動を展開しつつコラボレーションを行ってきたこのグループの大規模個展「ダムタイプ|アクション+リフレクション」(〜2月16日)が東京都現代美術館で開催中です。新作を含む6点の大型インスタレーションを一挙に目にすることのできる、国内でも貴重な機会となる本展。同時開催の「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」「MOTコレクション 第3期 いまーかつて 複数のパースペクティブ」もお見逃しなく。

◎東京国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」(休館日:12月28日〜1月1日)
「窓は文明であり、文化である」の思想のもとで活動する一般財団法人 窓研究所と東京国立近代美術館がタッグを組んだ展覧会「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」(〜2月2日)。「窓」がテーマの本展の見どころは、マティス、ボナール、クレー、デュシャン、ロスコ、リキテンシュタインといった20世紀の名作のみならず、ヴォルフガング・ティルマンス、ゲルハルト・リヒターらによる現代アートの作品。とくに、8枚の連続する大きなガラスに思いがけないイメージが映り込むリヒターの《8枚のガラス》は今春、ワコウ・ワークス・オブ・アートの個展でも話題となった注目の作品です。

◎ワタリウム美術館「フィリップ・パレーノ 『オブジェが語りはじめると』」(休館日:12月31日〜1月3日)
パリを拠点に活動するフィリップ・パレーノによる日本初の大規模な個展「オブジェが語りはじめると」(〜3月22日)は、年内30日まで鑑賞可能です。本展では、パレーノの代表作である白熱光が点滅する《マーキー》や、天井に張りつく風船《吹き出し》のほか、1995年にワタリウム美術館とキュレーター、ヤン・フート(1936-2014)がコラボレートした展覧会「水の波紋展」で制作した氷の《雪だるま》が新たに登場します。会期中は何度でも再入場可能なためぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

ギャラリーはメゾン系を中心に5ヶ所

美術館と比較すると冬休み期間が長い傾向のあるギャラリー。そんななかでも、ファッションブランドが運営するギャラリーは店舗のスケジュールに準拠するため、年末年始もオープンしています。

◎メゾンエルメス「『みえないかかわり』イズマイル・バリー展」(休廊日:12月30日〜1月2日)
パリとチュニスを拠点に活動するイズマイル・バリーは2000年代の終わりから活動をはじめ、最小限の状況設定と身ぶりに基づく繊細な作品を制作してきたアーティスト。ブリュッセルにあるギャラリー「ラ・ヴェリエール」のキュレーターであるギヨーム・デサンジュをゲストキュレーターに迎えた今回の個展「みえないかかわり」(〜1月13日)は、新作の映像を中心に、フィルム、オブジェ、ドローイングなどから構成されます。メゾンエルメスの窓から注ぐ自然光も重要な要素である本展は、日が沈む前の鑑賞がおすすめです。

◎エスパス ルイ・ヴィトン東京「COMING OF AGE」(休廊日:1月1日)
2018年にルイ・ヴィトンのメンズウェアのクリエイティブ・ディレクターに就任したことも大きな話題を呼んだヴァージ・アブローがキュレーションしたグループ展「COMING OF AGE」(〜2月16日)が、表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中です。本展に参加するのは、アリ・マルコポロス、ショーン・マウン、サンディ・キム、ジュリアン・クリンスウィックス、ナイル・オブライエン、ウェンディ・エヴァルト、星玄人、題府基之、荒木経惟らベテランから若手まで、ヴァージルが選抜した写真家たち。休廊日は1月1日のみですが、12月31日は通常より少し早めの18:00でクローズします。

◎DIESEL ART GALLERY「ピュ〜ぴる『GODDESS』」(休廊日:1月1日)
「生と死」「男と女」「自己と他者」「加害と被害」などの概念を自らの身体に重ね合わせ作品化してきたピュ〜ぴるの個展「GODDESS」(〜2月13日)も休廊日は1月1日のみ(1月2日、3日は20:00クローズ)。活動休止状態が続いていたピュ〜ぴるにとって12年ぶりとなる今回の新作展は、大型のポートレイトシリーズ「女神」を中心に構成されます。「死を考えているからこそ翻っていまをしっかり生きて、光の世界を見たいという強い気持ちを作品で表しています」とインタビューで語ったピュ〜ぴるの現在形をお見逃しなく。

◎THE CLUB「デタニコレイン Between Yesterday and Tomorrow」(休廊日:1月1日)
THE CLUBはGINZA SIX6階にあるギャラリー。ここでは現在、パリを拠点に活動するフランス系ブラジル人作家のアーティストデュオ、デタニコレインの個展が開催されています。言語学者とタイポグラフィックデザイナーでもある2人は2007年に、第52回ヴェネチア・ビエンナーレでブラジル館を担当。その作品は、ルーブル美術館の別館「ルーブル・ランス」の修復センターにも収蔵、展示されています。

◎パープルームギャラリー「きりとりめでると未然の墓標(あるいはねこ動画の時代)2019−2020」(休廊日:1月2日、3日)
大晦日の12月31日に開幕するのが、デジタル写真論を中心に執筆、展覧会企画を行う「きりとりめでる」がキュレーション、パープルームが企画サポートを行なった「きりとりめでると未然の墓標(あるいはねこ動画の時代)2019−2020」展。インターネットや新しい批評言説に由来する動向を、きりとりめでるの視点とパースペクティブを通して見つめ直すという本展には関真奈美、原田裕規、守屋友樹、山形一生が参加。元旦もオープンし、休廊日は木・金のみ。住所は非公開のため、詳細はパープルームウェブサイトの地図をご確認ください。

ハラ ミュージアム アーク「加藤泉 – LIKE A ROLLING SNOWBALL」展の会場風景

番外編:少し足を足を延ばして群馬にも

◎ハラ ミュージアム アーク「加藤泉 – LIKE A ROLLING SNOWBALL」(休館日:1月1日)
原美術館の別館である群馬のハラ ミュージアム アークでは「加藤泉 – LIKE A ROLLING SNOWBALL」(〜1月13日)が開催中です。原美術館では加藤による新作の絵画、彫刻作品約30点が展示されるのに対し、アークでは作家秘蔵の未発表作品も交え、代表作を中⼼に約100点にのぼる圧倒的なスケールの作品群が集結。東京での個展をすでに見た人、見ていない人どちらにもおすすめです。なお、アークの休館日は通常木曜日のところ、1月2日(木)は特別にオープン。

Chiaki Noji

Chiaki Noji. 2019年12月よりTokyo Art Beat / Editor in Chief。Twitter@nojichiaki ≫ 他の記事

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