アーティストによる東京2020公式アートポスターが公開へ。非公式マスコットキャラクターにも注目

荒木飛呂彦、鴻池朋子、ヴィヴィアン・サッセンらが参加する東京2020の公式アートポスター全20作品が1月7日に披露された。同日、ロンドンのクリエイティブメディア「It’s Nice That」は、ぬQ、小林一毅、佐々木俊らが手がけた非公式マスコットを発表した。

poster for Tokyo 2020 Official Art Posters Exhibition

「東京2020公式アートポスター展」

清澄白河、両国エリアにある
東京都現代美術館にて
22日後終了

In Art Beat News by Chiaki Noji 2020-01-10

20世紀初頭より、各大会ごとに制作されてきたオリンピックのポスター。そして、今夏に開催を控えた2020年東京オリンピック・パラリンピックでも、国際的に活躍するアーティストやデザイナーを起用した公式ポスターが発表された。

オリンピックをテーマとするポスターを手がけたのは、浦沢直樹(漫画家)、大竹伸朗(画家)、大原大次郎(グラフィックデザイナー)、金澤翔子(書家)、鴻池朋子(アーティスト)、佐藤卓(グラフィックデザイナー)、野老朝雄(美術家)、ホンマタカシ(写真家)、テセウス・チャン(アートディレクター)、山口晃(アーティスト)、ヴィヴィアン・サッセン(写真家)、フィリップ・ワイズベッカー(アーティスト)。

いっぽう、パラリンピックのポスターでは荒木飛呂彦(漫画家)、柿沼康二(書家)、GOO CHOKI PAR(グラフィックデザイナー)、新木友行(アーティスト)、野老朝雄(美術家)、蜷川実花(写真家・映画監督)、森千裕(美術家)、山口晃(画家)が名を連ねる。

ヴィヴィアン・サッセン《Ludus》野老朝雄《HARMONIZED CHEQUERED EMBLEM STUDY FOR TOKYO 2020 OLYMPIC GAMES [EVEN EDGED MATTERS COULD FORM HARMONIZED CIRCLE WITH “RULE”]》

「Ludus(=ラテン語で「ゲーム」などの意)」を作品タイトルに冠したヴィヴィアン・サッセンは、ポスターについて「遊び心があり、色彩豊かで、意義深い作品を作りたいと思いました。競技の喜びを描き出すことを意図していますが、他にも、オリンピックに参加する人々の文化や国籍の多様性を伝えたいと考えました。カラフルなインクの大きな水玉模様は、オリンピック・シンボルの輪をイメージしたものです。オリンピックのアイコンを抽象化し、再構築してみました」とコメントを寄せている。

いっぽう、本大会エンブレムを手がけた野老朝雄は、「手で原図をつくることによって紋が現れるまでの補助線や痕跡が視覚化され、また、その線に身体性も投影されます。アスリートに大きな敬意を表し、全力で大会のシンボルをつくりたいと思いました」とコメント。コンピューターの技術と手作業からなるエンブレムの特性が際立つポスターを発表している。

鴻池朋子《Wild Things - Hachilympic》大竹伸朗《スペース・キッカー》山口晃《馬からやヲ射る》森千裕《カーブの向う(五千輪)》

今回の公式ポスターには、現代アートの分野で活動するアーティストも多数参加している。鴻池朋子は、《Wild Things – Hachilympic》と題して、一匹の蜂が主人公のポスターを制作。そのコメントでは「人間は一匹の動物として一人一人全部違う身体を持ち、全て違う感覚で世界をとらえ、各々の環世界を通して世界を生きている。それらは一つとして同じものがない。同じ言葉もない。同じ光もない。オリンピックがそのことに腹をくくって誠実に取り組めば、小さな一匹にとって世界は官能に満ち、やがて新たな生態系が動きだす」として、ヤコブ・フォン・ユクスキュルが提唱する「環世界」の概念がこの作品のベースにあることがわかる。

ポスターはすべて公式サイトで閲覧可能だが、東京都現代美術館で2月16日まで開催中の「東京2020公式アートポスター展」では、全20作品の実物を見ることができるため、気になる方は訪れてみてほしい。


公式ポスターが発表されるいっぽうで、ロンドンのクリエイティブメディア「It’s Nice That」では、「Four illustrators create alternative mascots for the Olympics and Paralympics in Tokyo(4名のイラストレーターによる非公式マスコットキャラクター)」という記事をポスターの発表日と同日に公開している。記事に並ぶのは、日本の愛すべき点と改善を望む点を反映した、オリンピックとパラリンピックの2体のキャラクター。この記事には、グラフィックデザイン事務所「AYOND」を運営する佐々木俊、グラフィックデザイナーの小林一毅、アニメーション作家の「ぬQ」、イラストレーターの瓜生太郎が参加している。

佐々木俊は「人力」の漢字をベースに「JIN-KUN」と「RIKI-CHAN」というマスコットキャラクターを考案。自身のTwitterでは、「背中の”¥”タトゥーがチャームポイント(東京五輪の裏金や借金等の金問題を背負っているよ)」と説明している。

そのほか、小林一毅は鶴と燕をかたどったキャラクター。ぬQは、自作品にたびたび登場してきた「ふたこ」と「一郎」を、寿司と扇子に変容させ、瓜生太郎は自身が考える日本らしさ(豊かな四季とそれに対する感謝・祈り)を祝祭的なファッションで表現したと語る。

真摯でありながらも、遊び心や批評精神にあふれたキャラクター8体もあわせてチェックしてほしい。

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This summer, our screens, newspapers and conversations will be dominated by the largest sporting event in the world: the Tokyo Olympic and Paralympic games. So for our Preview of the Year series, we wanted to give Japanese illustrators a chance to fulfil a dream project, and asked them to reimagine the Tokyo 2020 mascots. • From characters with sushi-rice limbs to figures adorned in mountainous garbs, these four illustrators embodied the things they love about their native Japan with charm, wit and whimsy. To read all about the amazing concepts behind each mascot, head on over to that link in our bio. • Preview of the Year 2020 is supported by @GoogleDesign #googledesign • Illustrations by: @nuhsikasas @kobayashi.ikki @nuq_artworks @tarouryu

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Chiaki Noji

Chiaki Noji. 2019年12月よりTokyo Art Beat / Editor in Chief。Twitter@nojichiaki ≫ 他の記事

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