マスク2枚では足りない春に。アーティストがつくるマスクを紹介

世界各地で慢性的な品薄状態が続いている、新型コロナウイルス感染対策用のマスク。アーティストが手がけたマスクを紹介する。

In 特集記事 by Art Beat News 2020-04-08

新型コロナウイルス感染症の影響で、世界各地で慢性的な品薄状態が続いているマスク。そんななか、国内外のアーティストがオリジナルマスクの制作に取り組んでいる。生活生活の中での感染対策として、ときに政権批判として、3Dプリンターや布を使用したマスクを手がけるアーティストたちを紹介する。(4月20日アップデート)

◎「途中でやめる」
山下陽光によるリメイクブランド「途中でやめる」は、4月1日に政府が発表した「布製マスクを一住所あたり2枚ずつ配布する」という施策を受け、布製のマスク制作をスタート。Instagramではモデルが中指を立てた着用写真がアップされている。

これらのマスクは「途中でやめる」の商品をネットショップで購入した際のおまけとして無料で同封されるという。ネットショップ内では、「マスクを2枚配ります?、ふざけるなよ、冗談じゃないですよ。何の?どんなマスクなんすか?だったらこっちで作ります」として、マスク制作に至った経緯のひとつでもある政府の施策への批判が示されている。

 
◎バグース・パンデガ
ジャカルタを拠点とするアーティストのバグース・パンデガは、高校時代の同級生で医師である友人が新型コロナウイルス感染症で亡くなったことをきっかけに、医療用フェイスシールドを制作開始。オープンソースの3Dデータを用いたフェイスシールドは、3Dプリンターで制作されたもの。

パンデガのパートナーであるアーティストの今津景は、自身のInstagramで「プリントを協力して下さる方、情報をシェアして下さる方、材料費をサポートして下さる方なども現れてチームのように一丸となって動き始めました」と明かしている。

 
◎yang02(ヤンツー)
いっぽう、日本でもメディア・アーティストのyang02(ヤンツー)が3Dプリンターでマクスを制作。中に仕込むガーゼ、隙間防止などのコツもツイートで明かしている。

このマスクの設計データを提供する株式会社イグアスは、新型コロナウイルスの感染拡大による深刻なマスク不足を受け、自社で販売する3Dプリンターを活用し、繰り返し利用可能な独自の3Dマスクを開発。3月下旬よりフィードバックの反映を重ね、マスクの設計データ(STLデータ)を無償で公開、3Dマスクの普及を働きかけている。データや制作方法はウェブサイトで見ることができる。

 
◎弓指寛治
2019年、「あいちトリエンナーレ2019」「TOKYO 2021」など、話題となった様々な展覧会に参加した画家の弓指寛治もマスクを制作している。弓指は4月7日、「2日くらい前からマスク作りにハマっとる。いま6号を制作中」とTwitterに投稿。

5枚のうち1枚には、コロナウイルスを思わせる花弁状の突起が描かれているという印象的なマスクだ。

 
◎SOMARTA(ソマルタ)
2017年、コンピュータプログラミングを用いた無縫製ニットのスキンシリーズがニューヨーク近代美術館に収蔵された、廣川玉枝率いるファッションブランド「SOMARTA(ソマルタ)」。この「SOMARTA」からも、再利用可能な布製マスクが登場。顔の形にあわせ、上下どちらでも着用可能という仕様だ。

 
◎川崎市岡本太郎美術館
また番外編として、美術館の取り組みを紹介。川崎市岡本太郎美術館はキッチンペーパーでの簡易マスク制作方法を公開中。「マスクをお持ちでない方は美術館入口で制作できます」として、マスク着用を積極的に呼びかけている。

 
◎吉岡徳仁
デザイン、建築、現代アートの領域を横断した活動で知られる吉岡徳仁は4月14日、オリジナルのフェイスシールドを発表した。透明シートにテンプレートを重ねてハサミで切り、メガネに装着するだけで完成するというこのフェイスシールドのテンプレートは自由にダウンロード可能。

「感染症の現場で闘う医療従事者の方々に、心から感謝と敬意を表します」とコメントしている。

 
◎太刀川英輔
デザインストラテジストの太刀川英輔は、A4クリアファイルで作成可能なフェイスシールドを発表。PDFの型紙は無料でダウンロードでき、印刷したPDFをA4ファイルに入れ込み、ハサミで切ることで医療現場でも使用できるシールドが完成する。なお、太刀川率いる「NOSIGNER」はパンデミック対策情報ウェブサイト「PANDAID」も運営している。

 
新型コロナウイルスによって広まった「アーティスト、デザイナーがマスクを制作する」というムーブメント。2020年の春を象徴する出来事のひとつとして、ここに記録する。

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