公開日:2007年6月30日

2007年5月のニューヨーク・コンテンポラリー・アート・オークション速報

例年と同じく、今年のニューヨーク・コンテンポラリー・アート・オークションは盛況と同時に、まちまちの反響だった。

盛り上がりとしては、5月16日に、サザビーの記録最高値の254,874,000ドル総売上を記録したことだ。落札された多くには、アート界のスター級の名が並ぶ中、マーク・ロスコの「White Center (Yellow, Pink and Lavender on Rose)」が現代アート落札史上最高の72,800,000ドルをあげた。これは元々、1961年にデイビッド・ロックフェラー氏が10,000ドルで買い上げたものだった。

その翌日、サザビーの記録を塗替えるがごとく、クリスティー・オークションで出品された約95パーセントものアイテムが落札され、総売上384,654,400ドルという歴史的記録を生むことになった。同時に落札価格新記録も更新され、アンディー・ウォーホールの「Green Car Crash (Green Burning Car I)」が25,000,000ドルから35,000,000ドルでの落札が予想された中、なんと71,720,000ドルにて落札された。

天文学的な数字が飛び交う実情におき、コンテンポラリーアートの過大または過小評価が考慮され、関係者全員は市場の暴落を予期している。5月末のロンドンでの現代アート市場がどうでるのかが、また注目される。

Martina Gahn

Martina Gahn

ニューヨーク州、ロングアイランド出身のマルティナ・ガーンは2002年に東京と愛憎の絡み合った付き合いを始めた。時にはカクテルを作り、時には英語を教えながら他人の饒舌を編集し、最近では電車の痴漢について本を書いている。音韻交替、靴、ジル・ドゥルーズとWeezerを好み、暇な時間には愛犬パグの「ヒル」と「ロー」を連れて東京のビジネス街を歩く。アートなものは全て愛し(古代ギリシャ美術からヘッジファンドコレクションまで)、アート産業のセックスと嘘とユーチューブ・リンクの先にあるものを伝えたいと思っている。