公開日:2018年12月12日

音楽とアートは両立するのか? 「BACARDÍ “Over The Border” 2018」フォトレポート

先鋭的な音楽とアートが交差/越境するパーティー

音楽とアートを同時に楽しむワンナイトのイベントというのは、多くありそうで実はそうでもない。どちらかに比重が傾いて、片方が疎かになりがちだからだ。バカルディ主催の完全招待制フリーパーティー「BACARDÍ “Over The Border”」は、先鋭的な音楽とアートを鑑賞できる稀有なイベントだったと言ってもいい。2017年のTABLOIDでの開催に続き、東京では2度目の開催だ。

Photo by Masanori Naruse

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http://bacardi-overtheborder.jp #bacardiOTB

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会場となった渋谷ストリーム ホールは元東急東横線の名残を残した2階からエスカレーターで登った、4・5・6階の3フロア構成だ。4階はDJラウンジ&ギャラリースペース、5階はギャラリー&モヒートワークショップ、そして6階のホールではライブパフォーマンスが展開しており、回遊できる仕組みになっていた。

Photo by Gaku Maeda

Photo by Xin Tahara

9月に開業した真新しいこの2フロアに渡って、JOE CRUZや、ベルリンを拠点に世界各地で壁画制作を行うHiroyasu Tsuri a.k.a. TWOONE、コラージュアーティスト・デザイナーとしても活躍するKOSUKE KAWAMURA、アブストラクトな線を描くJUN INOUEらの作品が展示された空間ができあがっている。

Photo by Xin Tahara

ブラウン管を使用したインスタレーションは、東京ベースのクリエイティブチームYARによる「OVER THE BORDER」をテーマにしたもの。
VJとして活躍する傍ら、オンラインレーベルBunkai-Kei recordsを主宰し、写真家としても活動するNaohiro Yakoによる都市の近未来的な夜景写真は、随一のセルフィースポットになっていた。

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Photo by Gaku Maeda

「BACARDÍ “Over The Border”」恒例のモヒートのワークショップも開催していた。フレッシュなミントに、好みの果物を組み合わせてモヒートを作ることができる人気の企画だ。それぞれのオリジナルモヒートを作りながら、ラムの新たな魅力も発見できる。

JOE CRUZ
JOE CRUZ
Photo by Xin Tahara

JUN INOUE
JUN INOUE
Photo by Xin Tahara

KOSUKE KAWAMURA
KOSUKE KAWAMURA
Photo by Xin Tahara

6階のホールは、エントランスも飾ったR領域と、多数のミラーボールを用いて幻想的な空間を現出させるMIRRORBOWLERが彩っていた。

JUN INOUEはDJとのライブペインティングを披露した。巨大なキャンバスを前にDJ KOCO a.k.a. Shimokitaのスクラッチに乗せて、ゆっくりとストロークをする。1時間かけて完成させたアブストラクトな平面は、高揚した空間から独立した作品としての強さを称えていた。

Photo by Xin Tahara

その後のステージにはウガンダから初来日となるKampireが。急激に盛り上がりを見せる東アフリカ発のエレクトロニック・サウンドシーン。その中核を担うアーティストコレクティブ〈Nyege Nyege〉のコアメンバーで、アートの面から見ても刺激的なラインナップだ。

Kampire
Kampire
Photo by Masanori Naruse

音楽、アート、そしてパーティー。人々の趣味や嗜好が細分化した時代にあって、そこからどうやって抜け出す/超えていくことができるのか。例えばパーティー目当てで来たオーディエンスが、アートに触れることで、セルフィーの的とすることでどう変化するのか。そしてそのまた逆も。可能性を少しは感じてもいいのでは、と思える夜だった。

Photo by Xin Tahara

Photo by Gaku Maeda

関連記事:バカルディ主催の音楽とアートのカルチャー・カクテル・プロジェクト「BACARDÍ “Over The Border”2018」

Xin Tahara

Xin Tahara

北海道生まれ。 Tokyo Art Beat Brand Director。