群馬県立館林美術館ハンス・アルプ(1886-1966)は、彫刻家、画家、そして詩人として知られる20世紀美術史上最も独創的な芸術家の一人です。1916年に仲間とともに興した運動「ダダ」は、その後の芸術思想に大きな影響を与えることになりました。アルプは、機械文明や合理主義を否定し、「自然」あるいは自然のように「意味のないもの」への志向を、詩や版画、レリーフの制作で表明しました。
1926年にはパリに移り、44歳で彫刻を手がけることになりますが、アルプの造形は洗練された抽象でありながら、有機的なぬくもりと親しみを失いません。不動の彫刻が、ゆっくりと流れるような動きと、暖かい息吹を見る者に感じさせるのは、その柔らかな曲線が人体や植物のかたちに通じる生命的なものだからです。
この展覧会は、ドイツにあるアルプ美術館の全面的協力により、ラインラント・プファルツ州とハンス・アルプ財団の所蔵するコレクションのなかから、代表的な彫刻、絵画、レリーフ、コラージュなど約140点をご紹介する、日本では20年ぶりの大規模な回顧展です。
Photo:「小劇場」 1959年 ハンス・アルプ&ゾフィー・トイバー=アルプ財団所蔵
courtesy: BILD-KUNST, Bonn&APG-Japan/JAA, Tokyo, 2005
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