ギャルリー・タイセイ「マルセイユのユニテ・ダビタシオン」(1946~52)とは、「300万人の現代都市」(1922)以来実現せぬまま終わった数々の都市計画の末に、「見果てぬ夢」を追うラ・マンチャの男ル・コルビュジエがささやかに実現した垂直都市でした。彼の思想を語っているという詩画集「直角の詩」の「B4.精神」の章にもブリーズ・ソレイユとともに描かれている自信作です。20世紀が重厚長大の時代(大量生産、大量消費、効率、地域特性を無視した普遍的な建築等)であったとするなら、それを住宅として表現したのがユニテだったのではないでしょうか。近年では、20世紀建築のキーワードである機能、合理、普遍的空間等を離れ、場所性を考慮し、一時的関係を規定する空間を表現しようとする潮流も出てきています。そのような現在の状況にあって、本展ではユニテそのものを詳しく紹介するだけでなく、ユニテに結びつくいくつかのキーワードをもとに、垂直都市の住まい空間とその暮らしから、機械時代にデビューしたル・コルビュジエが20世紀をどのような時代として捉えていたのかを探ります。
まだコメントはありません