ベルギー王立美術館展

国立西洋美術館

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ベルギー王国が世界に誇る同国最大の美術館であるベルギー王立美術館は、15世紀のいわゆる初期フランドル絵画から20世紀、さらには現代美術にいたる絵画や素描など約20,000点が所蔵され、まさに油彩画発祥の地に相応しい充実した内容をもつ。
この展覧会は、ブリューゲル、ルーベンス、ヴァン・ダイク、ヨルダーンスといったフランドルの巨匠たちにはじまり、クノップフ、アンソールらの象徴派、さらに、マグリット、デルヴォーらシュールレアリストなど20世紀の作品まで、同館から選りすぐった70点の油彩画と39点の素描によって、豊饒のベルギー美術400年の歴史を展望する。今回とくに注目されるのは、現存する油彩画が40点ほどしかないピーテル・ブリューゲル(父)の《イカロスの墜落》が日本初公開です。

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Reviews

sayama: (2006-12-02 at 12:12)

ベルギー王立美術館の傑作が集まった今回の展示はブリューゲル、アンソール、スピリアールト、マグリットが大体有名か。
フランドル絵画(後のベルギー絵画)も当時の統治国であったネーデルランドはオランダ絵画―フェルメールやレンブラントのような明るく淡い色彩なのかと思いきや、若干暗く、陽のあまりあたらないような風景画が多く、隣国であってもこのように違いがあるのだ、と驚いた。
基本的に画面はうすぼんやりとして、オランダ絵画のような明るさも、フランス絵画のような華美も持ち合わせていない。
だからこそ、農民の暮らしというものも非常に切実に感じられたのかもしれない。
アンソールはわずか数点の展示でしたが、『燻製ニシンを奪い合う骸骨たち』を見ることが出来た。
あの、不吉さをもたらす言いようのない不安を感じさせる絵画がよい。
そして、最後にお目当てのマグリット。
『光の帝国』、『女盗賊』、『血の声』の3点が出品。
流石に最後にくると、疲れ果ててしまったのかあまりマグリットの絵画の周りに人が寄らないので、何順も繰り返し見ていた。
『光の帝国』は昼夜が迎合する神秘的世界を見せてくれる。
空は明るく、家には明かりと外灯。
昼夜という空間は存在しているのに、その時間はまるで共にある為に、止まっているようにいつも私は感じる。
そして、あの灯りのともる家にも人の生存を感じる事が出来ない。
全てがあるようにみられ、何もない。
超現実主義は時空を越えますが、決して私はそこに時の流れも、人の生も感じられない。
『女盗賊』は黒い服で覆われた巨大な人が描かれている。
顔までスッポリベールで覆われたその盗賊、少しマグリットを齧っている人間にはピーンと来る事があるだろう。
マグリットは絵のモティーフに二人の女性を出すのが多い。
一人は愛妻ジョルジェット。
若い頃、遊戯園で出会ってからマグリットを生涯支え続けた女。
そしてもう一人は母親。
鬱病で川に身を投げた女。
見つかった彼女は腐敗が激しく顔を布で覆われていた。
少年マグリットには母親のその「覆われた顔」というものが生涯の印象となる。
その後、幾つかの母親と父親を描いた肖像画にもベールが巻かれ、死と暗い闇を感じさせる。
妻ジョルジェットを愛の象徴として、絵画に登場させたマグリットだが反面、少年時代の苦しい過去―母親は闇、そして死の印象を持っているのではないかと私は思う。
だからこそ私はあの『女盗賊』の素顔はマグリットの母親にとっている。
最後に『血の声』。
有名な『これはパイプではない』のようにタイトルで意味づけされるのを極端に嫌ったマグリットのため、タイトルでその絵の説明は出来ない。
木の扉を開けるとそこには丸い球体と、一軒の家。
そこには誰が住んでいて、そして誰が作ったのだろう。
そんなことを妄想してみるのも面白いかもしれない。

純粋にあのマグリットブルーを楽しんだ展示。

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