Art Gallery 山手タイトルの「TOUGEN」は桃源郷のイメージを引用的に使っています。絵はあらゆる理想郷を表現することができる媒体です。価値観は多様化し、そもそも「理想」という言葉自体が死語と化した現代では、理想郷など存在しないかもしれません。それと同時に、判で押したような既成の「理想」も幾らでも手に入ります。そして人間の理想は、宇宙開発や遺伝子科学、電脳世界へと転化され、外へ向かう憧れを内面化し、封じ込め、更なる漠然とした「不安」で包み込まれています。
異界に住む奇妙な生物は、鳥獣戯画から遺伝子組み換えまで、人間が理想郷に夢馳せるテーマであり、古今東西において描かれ続けていますが、その「掛合わせ」の可能性は、様々な手法により、今も無限大に広がっていきます。動植物を掛け合わせたものは、太古の昔から現在まで、信仰や娯楽、絵画等、様々なものに描かれ続けてきた、私たちにとって馴染みの深いものです。東洋では竜や鳳凰、西洋ではキメラやス
フィンクス等、それらは世界中で見受けられます。そして人類が考え出した掛け合わせの発想は、科学や産業を作り出すうえで必要不可欠な方法であり、その可能性は無限に広がり続けています。世の中の情報や知識も溢れかえり絡み合いながら、新しい真実や価値観が生まれます。そして私たち自身が次々と、掛け合わせの「へんてこ」なキャラクターに変化し、自分が何者かわからないでいるような気がします。人間が産み出してきたものを、ポジティブに受止め、それを絵に描くことで、人間自身を新たな角度で見つめ直せるのでは、と考えています。
パーティー: 3月25日、17:00~
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