泉屋博古館東京本展覧会では、お道具そのものをご覧いただくほか、仕覆・箱・添状などいわゆる付属品にも注目したいと思います。手のひらにのる小さな茶入は、実はその何倍もの大きさの箱に収められています。それは当初から大きな箱に入っていたわけではなく、人々が大切に受け継いでいく中で、茶入を包む仕覆が付け加えられたり、いろいろな人が箱を新調し、そこに箱書をしていき、いつの間にか、大変大きな箱に収められるようになっていきます。これは、人々によって大切に受け継がれてきたお道具ならではのことといえるのではないでしょうか。
さらに、今回、館蔵品の野々村仁清の作品5点を全て展示いたします。江戸時代の京焼を代表する作家である仁清は、その赤・青・緑・金・銀という多彩な色遣いにその特徴が見られ、人気があります。その一方で、唐物写しも盛んに行っています。それは、単純に写しを作る以上の、中国の陶磁器への仁清の技術力の挑戦ともいえるものです。色や形は地味ながらも、その高い精神性を感じさせる繊細なフォルムは、見るものを自然と吸い込む力があります。当館の所蔵品には、その両方が見られ、これらを一度に全部展示をするのは今回初の試みとなります。
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