文田牧人「母子像」

アート・ラボ・トーキョー

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アーティスト

文田牧人

美術の歴史とは、いいかえれば画像処理の歴史ともいえる。このことは文田牧人の絵画を語るうえで重要な要素だと思われる。作家自身「絵画＞写真＞CG」と画像処理の歴史観を根本にしている。今回東京で初めて発表される平面作品「母子像」は、1年かけて作家が制作した３DCGを左に設置し、右にはCGをもとにこれまた1年がかりで精密に描かれた油絵がワンセットで展示される。文田は、明治期に写真流入とほぼ同時に入ってきた左右の目の視差を利用したステレオグラムの原理を３DCGと油彩画を絡ませて使用している。

また、文田は"CGを参照したCG的描法"をもって現在の「民主社会」を油絵で描こうとしている。そこに現代美術を通過した正統な日本洋画の後継者を見ことができる。このことはまた、美術史的に見れば、シミュレーショニズム以後の「ネオ・クラシシズム」（エドワード・ルーシー‐スミス）台頭の流れにおいても先端に位置していると思える。今回の当画廊における個展「母子像」は、そのことが再確認され、再検証されるものとなるだろう。

パーティー 4月7日（土）17:00から

スケジュール

2007年4月2日(月)〜2007年4月15日(日)