この作家は、インクの線を繰り返し重ねて描くドローイングを中心に発表しています。その繊細な表現方法で、実在と想像の狭間にいるかのような動物や昆虫、森を描いてきました。静寂な雪景色のように真白な紙に浮かぶ彼らは、己の世界を支配している力強さと、記憶の中に消え去る直前の儚さを併せ持つ不思議な姿をしています。本展では、永岡独自の世界観が現れたドローイング作品に加え、ハチの真社会性(※1)にインスピレーションを受けた立体作品を発表します。線を重ね、描くというアクションを反復する、もしくは小さな破片を積み上げて塊を作るという献身的行為。女王に尽くす働きバチは、自身と外界をつなぐ「曖昧な庭」という概念の中で自身の居場所と描くべきイメージを求めて飛び回ります。1973年生まれの永岡は日本大学卒業後渡英、2003年にロンドンのWimbledon School of Artで修士課程を修了しました。帰国後はTokyo Wonder Siteを始め世界各国の個展、グループ展で作品を発表。hpgrp GALLERY TOKYOでの初個展、この機会にどうぞご高覧ください。