LIXIL ギャラリー 1 & 2河野愛(Kawano Ai)さんの作品は、アンティークのドールハウスを接写撮影した写真を、布に拡大プリントした後、高さ150cm奥行き400cmの家型に仕立てたインスタレーションです。作品は天井から吊り下げられ、大きなテントが宙に浮かんでいるように見えます。私たちはそのドールハウスを実際の家のように訪問し、その中へ入ることができます。 ドールハウスは、もともと子供の玩具や邸宅を建てた時のミニチュア、家具や不動産販売の見本として生まれ、その独特の「小さきもの」としての存在が愛されてきました。河野さんの作品からは、掌中で愛でる対象が体感できるほど大きくなったことで、様々な要素が新たにクローズアップされています。壁の写真、マントルピース上の置物、椅子やテーブルの乱れに、そこで営まれていた生活や家族関係が、息を吹き返して、立ち上ってくるような生々しさに襲われます。
河野さんは美術大学で染織を専攻し、これまで古いポストカードによるファミリーツリー、黒板にチョークで家を書いた作品、無数の人形の頭部が袋の口から覗いているオブジェなど、「家」や「家族」をモチーフにした作品を制作してきました。河野さんの「家」には「幼少の記憶」=「楽園」という連想があります。河野さんにとってアンティークの家や家具は、暖かく楽しい過去を「見届けた」オブジェクトとして存在し、また、布や陶や「古いものの粉っぽい触感」も、思い出を触発する要素として大切にしています。
今展では、新作「brick wall」も合わせて展示予定です。「brick wall」は、古いポストカードの人物写真を布にプリントし、キルトのように中に綿を詰めて、長さ400cmのレンガを積んだ壁のように仕立てた作品です。今展は河野愛さんの初個展開催となります。「家」や「家族」、「時間」や「記憶」をモチーフにした作品をご覧ください。
アーティスト・トーク 2009年10月1日(木)18:00〜19:00
[画像: 「プチ・プセ 草の星」 素材:ポリエステル布 綿糸 サイズ:225×170×250㎝ 制作年:2007]
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