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中林忠良 展

町田市立国際版画美術館
終了しました

アーティスト

中林忠良
すべて腐らないものはない―中林忠良はこの考えを根底におき、腐蝕による銅版画を制作しつづける美術家です。

中林忠良は1937年、東京に生まれました。1959年に東京藝術大学絵画科に入学、油彩画を学びますが、しだいに油絵の具の感触になんともいえぬ違和感を覚えるようになります。そんなとき、中林は銅版画の詩人とも謳われた駒井哲郎と出会います。駒井は東京藝術大学で初めての版画の専任教師として教鞭をとった人物でした。中林は駒井哲郎の白と黒による表現世界に魅了され、銅版画に魅かれていきます。幼年時代をすごした新潟の雪深い風景のイメージがその世界に重なったことも大きな要素だったと中林は回想しています。

制作にあたり中林が選びとったのは、銅版を酸溶液に浸して制作する腐蝕銅版画という技法でした。エッチングとも呼ばれるこの技法は、酸によって金属が溶かされる、つまり腐蝕されてゆくという性質を利用したものです。銅の板は時間とともに酸溶液の中で腐蝕され、形を崩してゆきます。刻一刻と変容してゆくプロセス、朽ちてゆくその情景が中林の脳裏に「すべて腐らないものはない」という観念とその具体的なイメージを与え、そこにこそ彼は強く魅せられたのでした。

この展覧会は中林が銅版画と出会った1961年から現在にいたる48年間の創作活動をたどるものです。この創作の歩みは7つの局面にわけられ、それに版画集も加えた全135点の作品によって提示されます。これにより、作者が探求しつづけている表現の核心に迫り、彼が一貫して求め続けている世界観とは何かを考えてみたいと思います。また同時に、この機会に、腐蝕銅版画(エッチング)の魅力とその表現の特質に触れていただければ幸いです。

トークイベント等については、HPをご覧下さい。

[画像: 「転位 '07-地-II」 2007年 560×770mm エッチング、アクアチント、ドライポイント]

スケジュール

2009年6月27日(土)〜2009年8月2日(日)

開館情報

時間
10:0017:00
土曜日・日曜日・祝日は17:30まで
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
年末年始休館
入場料一般 400円、高大生 & 65歳以上 200円、中学生以下無料
展覧会URLhttp://www.city.machida.tokyo.jp/event/shisetsubetsu/hanga/kikakuten/kikakuten03/index.html
会場町田市立国際版画美術館
http://hanga-museum.jp/
住所〒194-0013 東京都町田市原町田4-28-1
アクセスJR横浜線町田駅ターミナル口より徒歩12分、小田急線町田駅東口より徒歩15分、小田急線町田駅西口より神奈川中央交通バス「高ヶ坂センター前」より徒歩7分
電話番号042-726-2771
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