ギャラリー小柳作家はここ数年、「母型」を主題に、空間作品(インスタレーション)、彫刻、写真による作品を制作してきました。2005年のギャラリー小柳での個展以来、ギャラリーでは4年ぶりの発表となる本展は、同じ主題を元に、「色彩」を通して探求した新作のペインティングと、水や熱による「生気(アニマ)」を通して探求した彫刻作品を中心に構成されます。
中でも、2006年に始まった新シリーズのペインティング「無題」は、今回が初めての発表となります。これは、紙に赤の色鉛筆で描いた"namenlos/Licht"(1993年から続いているドローイングシリーズ)の流れにありながら、そこに「母型」という新たな認識と、「色彩」の新たな発見があることで始まったシリーズです。
本個展のタイトル「color beginning」とは、「はじまりつつある色彩」、「生まれつつある色彩」を意味し、1819年のターナーの小さな水彩画が由来となっています。それは、「母型」における「色彩」のことであり、また同時に、作家にとって「色彩」の仕事がはじまったことを意味します。作家にとって、「母型」と「色彩」は、つねに同時に「はじまりつつあり、生まれつつある」ひとつのものであります。生まれる前やこの世を去った後、そして無意識といった、生の外でありながら、生を貫き、生に偏在する、その自由で純粋な連続性を「母型」と作家は呼んでいます。
繊細で神秘的な内なる体験をもたらしてきた内藤の作品が、今回どのようなかたちでたち現れてくるのか、是非この機会にご高覧頂ければ幸いに存じます。
まだコメントはありません