poster for 住田大輔 展

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住田の作品には一見、明るい色彩と艶がありますが、燃える森や建物、不安げな表情をする子供たちなど、不穏さをかき立てるモチーフがしばしば描かれています。映画のワンシーンや小説の断片であるかのような情景には、この不穏さの原因が描かれることはありません。イギリスロマン主義の詩人ワーズワースによる詩などからとられた作品タイトルは、作品の意味を暗示するだけで、不可解さをよりかき立てます。この捉え難さによって彼の油彩画は、独特の浮遊感を帯びるようになります。彼の作品は一見終末的な情景でありながらも、破滅的な意味合いのみに満たされているわけではないのです。

彼の作品においてあるひとつの情景やモチーフは常に両義的な意味を持ち, かつそれは別のものと組み合わされることで、いかようにも意味が変化するように感じられます。画面全体は私たちにひとつの明確な意味を与えてくれません。そのため彼の絵画には、個々のモチーフは、明瞭に描かれているにもかかわらず、画面全体について理性や言葉によって明確に把握したり、説明したりすることができません。この説明のつかなさこそ、まさに見る人に不穏さをかき立てる源のひとつといえるでしょう。

住田大輔が本格的に油彩画を描き始めたのはきわめて最近のことです。現役で武蔵野美術大学の油絵科に進学し、2008年3月に大学を卒業した彼は、大学3年生くらいまで学校の提出用くらいにしか絵画を描いてこなかったそうです。その間、彼は演劇やマンスフィールドやサリンジャーなどの英米文学に親しみ、脚本や小説に書いていたといいます。にもかかわらず、彼の絵画には言葉では形容のしがたい才能の予感が感じられはしないでしょうか。彼の作品の不穏さとは、いまだ底しれない彼自身の可能性の故でもあるにちがいないでしょう。

入場料 :企画展「ヴェルナー・パントン展」の入場料に含まれます。

[画像:《Sleepers, wake, the voice is calling》油彩、キャンバス、130.3x130.3cm、2009年Photograph: KEI OKANO Courtesy: TEZEN]

メディア

スケジュール

2009年10月17日 ~ 2009年12月27日

アーティスト

住田大輔

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