終了した展覧会・イベントです

「ソーン・アイ」展

Motus Fort
終了しました

アーティスト

畠山直哉、アンドリュー・グンサー、横澤典、スーザン・リッパー、小川泰、ジェイ・デイヴィス、レベッカ・コールスラッド、ティファニー・ポラック、クリス・ジャンキ、ローレル・ナカダテ、ダン・コップ、ブレット・ブッディ、政田武史
風景画は長きにわたり興味の源泉となっています。私が若い頃は、牧歌的な絵画に出会っても大抵はすぐ退屈したものでした。なぜ水平線ときれいな色彩が実物の素晴らしい風景と同じだとしなければならないのか、私には理解できませんでした。年月を経て、そして多くの絶えざる疑問の後で、私は忘れられなかった作品を評価するようになりました。特に好きな作品としてフリック・コレクションのベリーニの「砂漠の聖フランチェスコ」がありますが、それは動物と心を通い合わせる能力への憧れと、何かに憑かれたような聖人や幻想的な村がぎこちなくも魅力的な初期ルネッサンスの描写で描かれていたからでしょう。当時シカゴ美術館へ貸し出されていたリチャード・ダッドの美しい絵画も私の琴線に触れました。そこでは雑草が生える小さな一画の中に多層的な世界が入念に創り出されていました。同様に、ターナーの力強さ(忘れないように言えば、フランス印象派より30年前に現れている)と、また私を魅了してやまないモンドリアンのラベンダー色とオレンジ色の海景にも惹かれました。小さな美術館の雑多なコレクションでは、アートの歴史、そしてこの場合は風景画の歴史について自分で把握しなければなりません。光の視点から風景画について論じたパノフスキーと異なり、私の関心は動揺を引き起こすような空間と主題の使い方です。Motus Fortは、コレクション作品に加え、注目するアーティストの作品を展示します。ある作品は仰々しく、または欺くかのように静かにあなたの眼に突き刺さることでしょう。

茨の中の車、棘のある茂みに囲まれ森の中で積み重なったトレイラー、打ち捨てられ錆びた釘、年月の経った金属片、スーザン・リッパーはドキュメンタリーという装置を利用し、アメリカの田舎で遭遇する場所と人に対する私達のイメージに疑問を投げかけます。政田武史が行為を静止する一方で、小川泰は憑きまとう者たちに満ちた中世の空間感覚を蘇らせています。クリス・ジャンキ、アンドリュー・グンサー、ダン・コップの作品は、私達の注意を前方と抽象的なものに留め、私達は将来と過去を同時に見ることになります。レベッカ・コルスルッド、ティファニー・ポラック、ブレット・ブッディは、牧歌的な平和についての私達の推測と夢に疑問を投げかけます。ローレル・ナカダテは私達の幻想を妨げる一方、畠山直哉の初期の作品は彼の後の全作品へとつながる表現方法を模索しています。横澤典のどこまでも続く都市は、その目に見えない広大さではなく終わりのない喧騒を表現しています。都市は美意識に欠けており、自然だけが都市を再生させるのだとしたらどうでしょう?これらの作品は棘を隠し持ち、皮膚の下まで貫いて気付きを強いるような鋭い先端を持っています。その棘が押し付けられた時、快楽の甘美な痛み、記憶、そして素晴らしい気付きの瞬間を呼び起こします。Motus Fortは、ソーン・アイ − 眼の棘 − を開催いたします。

スケジュール

2009年3月13日(金)〜2009年4月25日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2009年3月13日(金) 18:00 から 21:00 まで

入場料無料
会場Motus Fort
住所〒101-0031 東京都千代田区東神田1-3-5 2F
アクセスJR総武線馬喰町駅2番出口より徒歩4分、都営新宿線馬喰横山駅A1出口より徒歩5分
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