林雅之 「Building Building」

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剥き出しとなった構造体。縦横無尽にはりめぐらされた補強パイプ。計算づくで配置された作業用足場。写真家は、空間を支え持ち上げるその物質の圧倒的な質量と、一見無秩序に見えながら物理的合理性に支配された無駄のない空間構成に目を奪われる。同時に建築家は、構造模型によって試された空間が、原寸大でこの世に立ち現われたことに陶然とする。

写真家・林雅之が捉えたこの写真は、建築家・武松幸治が手がけた大型物件の建設現場を取材したものだ。だが、林はこの建築が出来上がる「プロセス」を追ったわけではない。竣工した建築さえ撮影していない。写真家は、建物の剥き出しの「構造体」と同時に、補強パイプや作業用足場といった「もうひとつの構造体」に目を向け、その複雑な絡み合いのなかに「建築の本質」を見ようとする。一方の建築家は、写真に映しだされた構造体の威容が、まるで実体化した構造模型のようだと語ることで、それがデザインではなく、力学に基づいた「建築のもうひとつの本質」を浮かび上がらせていることを証立てする。しかし、その「本質」が可視化できる時間はごく短い。現場は絶えず活動し、物質は間断なく流動し、その「本質」は、あっという間に壁や天井のなかへと姿を消してゆく。

写真家は、その「本質」が見えている時間の間だけ、シャッターを押す。現場が昼休みに入るわずかな時間を狙って。建物が、その構造体としての「本質」をあらわにするほんの幾日。それは建物(Building)を建てる(Building)という営為が凝縮された時間でもある。

メディア

スケジュール

2010年04月16日 ~ 2010年04月25日

アーティスト

林雅之

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