黒宮菜菜 「流彩の幻景」

LIXIL ギャラリー1 & 2

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ギリシャ神殿の柱のようなかたちが並んでいます。柱頭には丸いビーズのような豪華な装飾が施され、柱と柱の間には首飾りのようにめぐらされて煌めいています。全体にカラフルな淡い色調で、荘厳な雰囲気の中に、華やかで優しさの漂う油彩による平面作品です。柱のかたちは、滑らかなアクリル板に油絵具を直接流すことによって表現されています。上から下に液体が流れていくさまには自然のストロークのダイナミズムがあり、やがて液だれが掠れ薄れていくと、霧の中に建物が沈んでいくような幻想的な光景が浮かび上がります。また、ビーズやイタリアのガラス象嵌細工のように見える装飾的な部分は、絵具を1滴1滴スポイトで垂らすことによって、その表面張力でふっくらと結びあい、結晶のようなかたちとなります。

作家の黒宮菜菜は30歳。現在のような作品を制作するようになって3年になります。油絵の具をチューブから直接支持体に塗りつけ、ドリッピングや垂らし込み技法を用い、液晶画面のような鮮やかな発色と光沢で作品をつくり出しています。モチーフは自然に流れた絵具のかたちから連想されるものたちです。泡のように生まれては消える細胞、樹木や山並み、髪をたらした女性、睡蓮の咲く池、幾何学模様の壁紙が貼られた室内などが、洪水のように押し寄せる色彩の間に浮かび上がり、濃密な世界をつくり出しています。

黒宮は学部時にはコンセプチュアルな作品を制作していましたが、大学院に移ってそれまでの自分の考えを体現する作品から、そもそも絵を描くこととは何かと考え始めて、一時描けなくなります。その時に残ったのが描きたいという衝動でした。そこから現在の技法を用いた作品が生まれました。今展では1点の大きさ270〜150cm四方の作品、約10点が展示される予定です。博士課程に在学中の黒宮のエネルギッシュな作品をご覧下さい。

アーティスト・トーク 4月1日(木) 18:00~19:00

[画像:「雲あそび」(2009年) アクリル板、木材、油絵具、メディウム 182cm×227cm]

メディア

スケジュール

2010年04月01日 ~ 2010年04月27日

アーティスト

黒宮菜菜

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