WAITINGROOM森田が描くナイーブで幻想的な作品群には、ファンタジー性と同時に、どこか日常の情景の記憶のようなものが見て取れます。本展のメインであるペインティング作品では、陶芸のバックグラウンドを想起させる作り込まれた絵肌に、流れるような夜空とそこに漂う少年と少女が描かれています。
安堵と不安の間を揺れ動くような彼らの表情とたたずまい、移ろいゆく背景には、鑑賞者が絵画の空間の中に入り込めるような感覚が広がっています。日常から絵画の非日常の世界へ入り込む、そういった意識が、森田の作品に共通して現れるファンタジーと日常の融合を生み出しているのでしょう。
今回の個展タイトル『カミナリの花』は、「一瞬を永遠に」というテーマから名付けられました。稲妻が光る時の様な一瞬を、永遠の風景として絵画に落とし込む。それは、流れている時間の一瞬の記憶を切り取るという絵画自体が持ち合わせた性質と、「芸術」全体のテーマにも繋がっていると作家は言います。切り取られた一瞬が描かれた画面には残像が残っている様にも見え、人間の記憶に限りなく近い感覚を表現しています。
今回の個展では、ペインティング、ドローイングともに、それぞれ約10点ずつの展示予定となります。
[画像: 森田晶子 「カゲロウのなかま」(2011) キャンバスパネルに油彩、アクリル、アクリルメディウム、ピグメント 65.6 × 50.3 cm]
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