「鰻 博覧会」展

東京大学 本郷キャンパス

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このイベントは終了しました。

川や沼に棲むウナギ、彼らが海の彼方から何千キロも旅してやってきたことを知る人は意外と少ない。細長いヘビのような体つきや、どこにあるのかはっきりしないウロコやエラは、この生き物が魚であることさえ忘れさせる。古代ギリシャの博物学者アリストテレスは、旺盛な好奇心をもってウナギの繁殖について調べてみたが、卵をもった親も生まれたばかりの子もどこにも見つからなかったため、その大著『動物誌』のなかで「ウナギは泥の中から自然発生する」と記述している。ウナギは昔から謎の多い生き物だった。

この謎の解明に取り組んだのが、当時東京大学の研究船「白鳳丸」である。白鳳丸によるウナギ産卵場研究は、1973年に始まり、その後現在まで、約40年間に亘ってウナギの回遊と繁殖生態に関する調査研究が続けられている。東京大学が組織したこの全国共同利用の海洋調査は、米国、韓国、台湾、中国、ドイツ、フランス、インドネシアなど世界各国との国際共同研究として実施され、多くの実績を挙げた。産卵場調査から得られた成果は、海洋生物全般の繁殖、回遊、生活史に関する基礎生物学的知見となる。また、現在世界規模で激減しているウナギ資源の保全と管理に貢献する。さらに人工シラスシラスウナギの大量生産技術の開発研究にも大きく寄与する。

その生態が謎であるにも関わらず、一方でウナギは、昔から私たちに大変身近な存在であった。全国各地の縄文時代の遺跡からウナギの骨が出土する。身近な川や沼で捕れるウナギは私たちの祖先の貴重な食べ物であったにちがいない。ちょっと風変わりな形や動きをもつこの生き物は、重要な食べ物として利用されているうちに、いつのまにかひとの生活のなかに入り込み、「うなぎのぼり」や「うなぎの寝床」などの慣用句を生んでいった。また、文学や浮世絵、落語や映画の題材として表現された。さらに人との距離が縮まって、美術工芸品にもなって愛され、伝説、信仰の対象ともなって畏敬されている。単なる生物に過ぎなかった「ウナギ」は、食べ物の「鰻」となり、文化にみられる「うなぎ」へと進化した。

この鰻博覧会の展示会場では、自然科学、社会科学、人文科学のあらゆる側面からマクロな視点でウナギを包括的に理解し、不可思議で、それでいて愛すべきウナギという生き物の魅力を存分に楽しんでいただければ幸いである。

■このイベントは東京大学本郷キャンパス内、東京大学総合研究博物館での開催です。

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スケジュール

2011年07月16日 ~ 2011年10月16日
開場時間: 10:00〜17:00 (入館は16:30まで)、休館日: 月曜日 (ただし7月18日、9月19日、10月10日は開館)、7月19日、8月12日~8月15日、9月11日、9月20日、10月11日

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