東京国立近代美術館作品を発表するたびに話題を集める建築家、それがヴァレリオ・オルジャティです。彼が今事務所を構えているのは、グラウビュンデン地方の山里であるフリムス。このことからもわかるように、オルジャティは、時流にとらわれることなく、建築の本質と向き合い続けてきました。
その建物の特徴は、「概念性」と「職人性」と「芸術性」とが高いレベルで融合しているところにあります。篠原一男(1925-2006)や安藤忠雄(1941- )などの影響もうかがえる幾何学的なプラン(平面図)に、時には土着的と思える形や模様を与えていくオルジャティの建築は、過激さと懐かしさとおかしみを同時に備えることに成功しています。そこで求められているのは、新しい建築などではなくて本当の建築である、そう言い換えることもできるでしょう。
本展に展示されるのは、模型と図版です。と書くと、普通の建築展のように聞こえますが、これはヴァレリオ・オルジャティの、美術館で開催される展覧会。もちろん違います。模型は、小さな住宅も、大きな美術館も、すべて同じ1:33 の縮尺でつくられていて、細かい部分は省略され、まるで彫刻のように見えます。白くて美しい模型9 点を前にすると、建築の強度とはいったいなんによるのかと、考えさせられることでしょう。
そして図版。これは、オルジャティが自らに影響を与えたものとして集めた、建物や庭園や空間や絵画などのイメージによって構成されています(それを彼は「図像学的自伝」と呼んでいます)。古今東西のさまざまなイメージが水平にひろがる中に、模型が、あるいは「建築」が、垂直に立っている。この対照性が本展の特徴です。
講演会:「75分間」
日程:2011年11月1日(火)
時間:19:00-20:15
場所:当館地下1F講堂
*日英同時通訳付
要申込(応募者多数の場合は抽選)聴講無料(130名)
詳しくはホームページをご覧ください。
[画像: ヴァレリオ・オルジャティ 「ペルミ21世紀美術館 ペルミ/ロシア」(2008) © Total Real AG]
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