佐藤美術館美術をこころざす学生や若い作家にとって最も必要なことは、社会との接点の創出だと私は思います。経済的な援助や技法表現の習得などももちろん重要なことですが、私たち美術館にかかわる者としては、やはり見る側とつくり手とをどう繋げてゆくのかを常に考えてゆかねばならないと思うのです。それは単に作品を展示するということだけを指すのではなく、出品者そして私たち催す側が、様々な工夫と情熱とを可能性に換え常に発信し続ける姿勢こそが大切なのではないでしょうか。さて、ここに開催する「画心展」はまさに今までにない大きな可能性を見る側に提示できる展覧会になり得ると私は心より期待しているのです。
本展は、もともと京都造形芸術大学日本画専攻出身者の優れた作品を選抜し東京で発表することを目的とし2004年から毎年開催されてきました。それをこの度、今までの画心展の主旨を受け継ぎながら、更に当財団の20年間の奨学育英事業の中で同大学より採用してきた奨学生を加え、昨年東京での拠点となるべく設立された同大学の外苑キャンパスと当館に於いて一挙に展覧します。これは、大学と美術館とが学生と若い作家の育成支援という目的のもとに一致協力し行われるかつてない試みと言えるのではないでしょうか。京都で学び育まれた若い作家たちの真摯な表現。そして、彼らを育て、支えようとする私たちの取り組みや熱意がひとりでも多くのみなさんに伝わることを心より願ってやみません。(公益財団法人佐藤国際文化育英財団 佐藤美術館 学芸部長 立島惠)
※佐藤美術館および東京芸術学舎での同時開催
まだコメントはありません