川田喜久治 「日光 - 寓話」

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徳川家康を神格化した東照大権現日光東照宮を有する栃木県日光市。そこには緑深い森や空から落ちてくるような華厳の滝、毒々しいまでに鮮やかな色彩を放つ紅葉があります。そして東照宮には龍や麒麟などの幻獣が棲んでいます。

東照宮について川田喜久治は「その構成はルネサンスの永遠を希求する均整の調和とは違い、流動性と過剰な装飾、気まぐれと眼の悦びをもとめるバロックの空間に近いのだが、特有の日本の確たる美となっている。」と語っています。そしてヨーロッパ近代建築と対比して「近代の機能主義的で無駄のない空間も捨てがたいが、心理的な深淵が見え隠れしているような造形に心が動いていた」と言います。

川田にとって日光に在るカオスは、建築という存在を超えて精神を司る一つの宇宙としての塊であり、世界の始まりと終わりを体現しているように映るのかもしれません。都市を撮影しながらその崩壊と再生を描き出す「ワールズ・エンド」と緊密に呼応していると言えます。

作者は「激烈な装飾の語る何ものかがテーマになるだろう」と1982年から3年間日光を撮影しました。しかし物足りなさを感じたことと、見る角度を変えたいという思いから2010年また日光に通います。そこには「寓話というリアリティ」というパラドックスがありました。川田喜久治の写真となった日光の寓話は、写真というリアルな幻想の中に「装飾の帝国」として浮かび上がります。

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スケジュール

2011年05月10日 ~ 2011年06月25日

アーティスト

川田喜久治

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