1950年代以降に活躍したオランダの写真家たち、Ed van der ElskenやJohan van der Keuken、Sanne Sannesなど、彼らが残した写真が他国の表現と異なりオランダ的であるゆえんは、「時間」と「光」を感じさせるからではないでしょうか。 そういった系譜で見ると、Barry Kornbluhの写真はまさにオランダ的写真であると言っても過言ではありません。彼がオランダに制作の地を移動したのは必然だったのでしょう。また、今回の展示は「恵比寿映像際」開催に伴い企画された地域連携プログラムに参加してお り、母体となる東京都写真美術館での展示テーマは「映像のフィジカル」です。「時間」を作品に内包し、質感の豊かな彼の写真はまさにこのテーマに沿った視覚芸術です。