倉田裕也「Play the right Game」

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アーティスト

倉田裕也

2011年7月のギャラリー・コモンでの個展では、倉田のより新しい色使いなどのペインティング技術の展開とともに、約15点のアクリルとドローイング作品を見ることができる。この展示は、彼自身が理想の英雄像を描きつづけることに対して、ヒーローは世界のために何をしてくれるのだろうか、という一種の自問を投げかけることからスタートしている。展示に際して、倉田はこう述べている。「荒れ狂う海に沈む船、海の向こうからやってきた化け物にも気づかずに争いや歪み合いを止めない民衆。そんな中に立ち上がった2人の野球選手は民衆を助けるのか、はたまた2人のゲームをやり続けるのであろうか。」

この展覧会のタイトル「プレイ・ザ・ライト・ゲーム（正しいゲームをせねばならない）」に込められているのは、じつは英雄に対する要求ではなく、私たち一人ひとりが正しいことをするという、もっともシンプルだが忘れがちな行為への再確認である。それはたとえば東日本の震災を目の当たりにして、個々人が何か出来ることはないかを真剣に考え、皆が行動し続けた日々を通じて、彼が導きだした一つの答えだったのだろう。（柏尾沙織）

[画像: 倉田裕也「Play the right game」(3枚組) (2011) 木にアクリル]

スケジュール

2011年7月22日(金)〜2011年7月31日(日)