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「 甦った西本願寺伝道院と伊東忠太」展

Gallery A4
終了しました

アーティスト

伊東忠太
2011年春、保存修理工事を終えて甦った京都・西本願寺の「伝道院」(1912年竣工)とその設計者である建築家、伊東忠太 (1867-1954) のデザインのルーツを探る展覧会を行います。

「浄土真宗本願寺派西本願寺伝道院」は、今からちょうど 100 年前の明治 45 年に真宗信徒生命保険会社の社屋として竣工しました。昨年、宗祖親鸞聖人の750回大遠忌法要の機会に大規模な耐震及び保存修復工事を終え、10年余り、養生シートに覆われていた外観が、再び鮮やかに蘇りました。

外観デザインには、和風、イスラム風などの東西文化が融合した「日本の様式建築」がみられ、あらためて、独特な伊東忠太の発想の面白さに気付かされます。京都の街並みに突如と現れる外観も、その発想のルーツをたどると、建築家・伊東忠太が目指した「日本オリジナルの様式建築を確立したい」という思想や理念が浮かび上がり、伊東忠太が高い志を持ち、幅広い世界観による視座に立っていたことが分かります。

伊東忠太は、建築学研究のため、1902年(明治35)から3年間アジア・欧米留学(中国、インド、トルコ、ヨーロッパ各国、アメリカ)をします。旅の途中に、西本願寺の当時法主であり、探検家としても有名な大谷光瑞(おおたにこうずい)率いる探検隊のメンバーと出会います。そのことが、後に大谷光瑞と出会うきっかけとなり、1905 年(明治38)に欧米経由で帰国後、大谷光瑞から設計を依頼され、この留学の成果が遺憾なく発揮されたのが、今回メインの作品展示となる「伝道院」です。

伊東忠太は、日本建築史を創始した日本初の建築史家であり、同時に建築家、教育者でもありました。1867年(慶応3)米沢に生まれた氏は、1892年(明治25)帝国大学工科大学(現東京大学工学部)を卒業、同大学大学院に進み、その後工学博士・東京帝国大学名誉教授となります。法隆寺が日本最古の寺院建築であることを学問的に示し、また建築進化論を唱え、それを実践した独特な様式を持つ築地本願寺などの作品を残しています。1943年には建築界で初めての文化勲章を受章します。

本展覧会では、「新しい日本の様式建築」を生涯にわたり探求した伊東忠太の思想をご紹介し、また、創建当時の姿に修復された「伝道院」の建築作品としての魅力に迫ります。

スケジュール

2012年3月2日(金)〜2012年4月27日(金)

開館情報

休館日
日曜日、祝日
入場料無料
会場Gallery A4
http://www.a-quad.jp
住所〒136-0076 東京都江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1F
アクセス東京メトロ東西線東陽町駅3番出口より徒歩3分
電話番号03-6660-6011
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