昨年5月、私が生まれ育ったこの墨田の街に「東京スカイツリー」がオープンした。天を仰ぐようなこの大きな樹の下では、錦糸町地区、押上地区に続き曳舟地区といまだ再開発が続いており、急激にその姿を変えていっている。昔からの風情ある下町の景観は次第に消失しながらも、戦後焼け残った建物が多く残っているところも。そんないまだ残る昭和の風情漂う景色を、カメラを片手に路地から路地裏へと歩きまわり写しとめた。撮影を続けて行くなかで記録していった街なみは驚くほどの早さで次々と消えていく。展示の写真のなかの幾つかは、もう既に見る事ができない景色となってしまった。
会場: gallery B