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川上幸之介 + 滝澤明子 + 山田憲太郎 「すべてのかたちは空に溶け - インターパッシブの世界 -」

Gallery Momo Ryogoku
終了しました

アーティスト

大坂紘一郎、川上幸之介、滝澤明子、山田憲太郎
『すべてのかたちは空に溶け~インターパッシブの世界~』展は、ロンドンを拠点にしながら自身の文化的出自を探る3 人の若手作家の活動を取り上げます。観る者の倫理意識に問いかける社会の諸相を取り上げながら、かれらの作品は仲介や仲裁の手続きをとる中間的エージェントとして作用し、あたかも集団的忘却( アムネシア) から記憶を呼び覚まそうとするかのようです。本企画の出発点は、戦後の前衛芸術にみられる社会的関与と、その現代の若手作家への影響をめぐる小さな会話から生まれました。展示作品では主体と主体が交流し合うインタラクティブな関係性に焦点を置く代わりに、さまざまな対話を内在しつつも語り手展示名『すべてのかたちは空に溶け』(All That Is Solid Meilts Into Air) は、マルクス&エンゲルスからの引用です。ここではインタラクティブからインターパッシブへ変わる作品性を象徴することばとして使われています。の主格を持たないインターパッシブ( 相互客体性) の芸術が志向されています。

大衆史を政治的なイデオロギーから捉え直す 川上幸之介(1979年生まれ)は、アーカイヴ写真《Professional Wrestling》(2012年)で、勧善懲悪の「八百長」試合を額に収めてコメモレートし、日米関係の愛憎劇をポストコロニアルな視点から戯画化します。そして金と銀の《ポンポン》(2013年)が、経済の成長と発展に支えられたユートピア幻想に終止符を打ち、見るものを歴史的な郷愁のうちに迷い込ませるようです。

社会生活の枠組みに収まりきらない感情の余剰を地方の風習や儀式に見出す 瀧澤明子(1971年生まれ)は、人々の記憶を通じて現実と仮想世界が交錯する映像作品を発表します。連綿と続く日常の風景を切り取りながら場の体験を再構築する瀧澤は、文化のDNAに埋め込まれた記憶のコードを巧みに操りながら、時間の移ろいとともに変化してく記憶の有り様を捉えます。

既製品や原材料のアッサンブラージュで思考のミニマルな表現を探る 山田憲太郎(1978年生まれ)は、さまざまな出来事の特殊性を端的な視覚言語に洗練させ現代のポエジーへと昇華させます。《EVERYTHING COMES IN WAVES》(2011年)は、繋ぎ合わせた44個の電球が死の直前にみられる振幅の大きな呼吸(チェーンストークス呼吸 )に合わせて明滅する作品。作者が間近にした死の瞬間を光のパターンに変えた本作では、プライベートな追憶から語り手が消えて静かな反響の世界が広がっています。


[画像: 川上幸之介、滝澤明子、山田憲太郎]

スケジュール

2013年6月22日(土)〜2013年7月13日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2013年6月22日(土) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
会場Gallery Momo Ryogoku
http://www.gallery-momo.com/
住所〒130-0014 東京都墨田区亀沢1-7-15
アクセス都営大江戸線両国駅A3出口より徒歩1分、JR総武線両国駅東口より徒歩5分
電話番号03-3621-6813
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