小野耕石「Hundred Layers of Colors − 垂直は明るく、水平は光 − 」

SEZON ART GALLERY

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アーティスト

小野耕石

小野耕石の作品はそれぞれの場所、時代を織り交ぜた作品に完成しているように思う。それは西洋文化、東洋文化が入り混じる現代の日本の文化の象徴なのではないだろうか。時代を超えて、作家のテーマで共通しているものがある。自分の周りの環境が影響しているということである。それを描きたいという衝動の原点は、いつの時代でも同じなのではないであろうか。
小野が当初アトリエの周りにいた蛾の鱗粉を絵に表現するために、版画という方法を使った。何層（レイヤー）も重ね、立体的なドットをハニカム構造に仕上げ、ビジュアルを作成していく。小野の作品に最初に対面したとき、コンピューター上で作るようなピクセル化されたの画像、またレンチキュラーの構造を思い出した。現代に生きる自分には関係性をつなげやすいビジュアルである。
その一方で、そのビジュアルは、かつて19世紀フランスで新印象派のスーラが補色のドットを重ね、遠くから見たときに混色される方法を見出した、いわゆる点描画と呼ばれる技法が影響しているようにも感じられる。時代を超え様々な表現方法が見出され、実験され、発表されてきた。小野は版画という手法を使い、彫刻、ペインティング、デジタルも表現する現代作家である。

スケジュール

2016年5月4日(水)〜2016年5月22日(日)