f.e.i art galleryでは、昨年FEI ART MUSEUM YOKOHAMA にて開催された第4回FEI PRINT AWARDにて準大賞を受賞した川合翔子による個展を開催いたします。モノクロームの世界で表現する川合氏の作品は、叙情的で、ふくよかなトーンから鑑賞者に様々なストーリー想起させます。モチーフには生物を選び、その生物に纏わる伝承や文化に自分自身の思想を重ね合わせて表現を行っています。例えば狐であれば、物語の世界で語られるどんなものにでも姿を変えるという性質に自分以外の誰かに憧れる心と、他者の思考に埋没して本来自分が大切にしていた価値観を失う恐怖と悲しみを重ね合わせます。自分と異なるものに憧れて姿を変化させ、得体の知れない怪物と化してしまった彼は、自分を殺してまで誰になろうとしていたのでしょうか。