終了した展覧会・イベントです

「メディアラボ第 17 期展示 数理の国の錯視研究所」

日本科学未来館
終了しました

アーティスト

新井仁之、杉原厚吉
見えるはずのない模様が見える、あるはずの物が消える――。メディアラボ第17期展示「数理の国の錯視研究所」では、こうした不条理で奇妙な錯視の世界を、数学を使って解明しようとしている研究者、新井仁之氏と杉原厚吉氏の作品を 18 点紹介します。「目でものを見る」とはどういうことなのか、人の目をあざむく錯視を、数学という道具で解明する研究のおもしろさを、実際の作品を見て感じてください。あなたの目の前で展開される不条理な錯視の世界に驚き、数学によって設計された様々な錯視作品を楽しんでいただけることでしょう。新井仁之氏の作品は、静止画が動いて見えたり、画像を見る距離を変えることによって違う絵が見えてきたりするなど、錯視を平面上に表現した 11 点です。新井氏は、新しい数学理論を生み出し、脳内の神経細胞による情報処理の数理モデルの研究を行っています。目から入った情報が脳でどのように処理されるかを数学的にとらえ、神経細胞が行っている処理に近い計算をコンピューターで行います。この数理モデルを使えば、錯視を強めたり取り除いたりすることや、好きな画像から錯視を作ること、さらに人の視覚機能の一部を特化させた画像処理を行うことも可能になりました。杉原厚吉氏の作品は、画家エッシャーの版画にあるような、現実の世界では不可能と思われる現象を立体作品として実現させた 7 点です。形の情報が光に乗って目に届くまでの仕組みを、幾何学という数理的構造を手がかりにすることによって、錯視の謎に迫ります。今回展示される立体作品は、ある視点から見える平面の画像情報から元の立体を復元する方程式を作り、解を求めることで実現したものです。視点を変えて作品を見ると、あり得ないはずの立体や動きが見えてきます。これらの研究成果によって得られた錯視をコントロールする技術は、例えば、車の運転中に起きる目の錯覚を弱めて交通事故の軽減を図ったり、さまざまな画像処理技術に応用したりするなど、実社会への活用が期待されています。今回展示する作品は「数理モデル」を使って制作されたものです。数理モデルとは、現実世界の現象や仕組みを数式で記述したもので、数理モデルを利用すれば、錯視を作り出したり見え方をコントロールしたりすることが可能になります。

スケジュール

2016年11月17日(木)〜2017年5月15日(月)

開館情報

時間
10:0017:00
休館日
火曜日
祝日は開館
年末年始休館
入場料一般 630円、18歳以下 210円、6歳以下の未就学児 無料 ※特別展は別料金
会場日本科学未来館
https://www.miraikan.jst.go.jp/
住所〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6
アクセスゆりかもめテレコムセンター駅北口より徒歩約4分、りんかい線東京テレポート駅より徒歩約15分
電話番号03-3570-9151
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します