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[画像: 上田薫《Sky F》2001年 油彩、カンヴァス 当館蔵]

「コレクション展3 反映の宇宙 特集: 上田薫」

神奈川県立近代美術館 葉山
終了しました

アーティスト

上田薫、長谷川潔、草間彌生、浜口陽三
水面やガラス、シャボン玉…透明な「鏡」に映ろう像は、かすかに歪み、たえず揺らぎながら、時々刻々と変化しています。鏡の中のわたしは、いつも左右逆向きで、似てはいても同じではない、もう一人のわたしのようにも見えます。あたかも二枚貝のごとく、微妙にズレながら重なり合う実像と虚像。これら反映し合う像をイメージと呼ぶならば、イメージの根源とはまさしく「鏡の中」=「反映の宇宙」に潜んでいるのかもしれません。
本展では、上田薫(1928-)を特集します。1958年、南画廊での初個展以後、デザイナーとして活躍した上田は1968年頃から画家として活動を再開。なま玉子やスプーン、水の入ったガラスのコップといった日常的な「事物」を対象に、写真を用いた独自のリアリズムを確立させます。その創作世界は、いわゆる「スーパーリアリズム」で括られるものではなく、むしろ一見、写実的な描写の中に、するりとさりげなく射し込まれた「反映」にこそ作家の視線は向けられていました。1990年代になると、対象は身近な「事物」から、自らを包み込む自然――水の流れや大気、雲など変幻自在な「現象」へと広がっていきます。川や空に無数の光が反射し、乱舞する刻一刻を鮮明に描いた画面は、きらめく壮大な鏡とも言えるでしょう。本展では、1970年代の作品からシリーズ〈流れ〉や〈Sky〉への展開、さらに最新作を含む約15点を通して、上田が追求してきた「反映の宇宙」を再考したいと思います。
また、当館の版画コレクションから約50点の作品を通して、反映のイメージをさぐります。版画は、その成り立ちにおいて原版と画像が反転することから鏡の反映と相通じます。長谷川潔(1891-1980)、浜口陽三(1909-2000)、丹阿弥丹波子(1927-)、草間彌生(1929-)、秀島由己男(1934-)、池田良二(1947-)、柄澤齊(1950-)らがモチーフとする鏡やガラス、水、貝殻、蝶などには、反映をめぐる版画ならではの眼差しがうかがえるでしょう。
関連企画プログラム
※いずれも展示室で開催。
※申込不要、参加無料(ただし、「1950年代の日本美術」展または「コレクション展3」の当日観覧券が必要です)。
※2月11日は午後2時より「1950年代の日本美術」展のギャラリー・トークを開催します。
[関連イベント]
上田薫氏によるアーティスト・トーク
日時: 3月11日(土) 14:00~15:00

学芸員によるギャラリー・トーク
日時: 2月11日(土・祝) 13:00~13:30
3月5日(日) 14:00~14:30

スケジュール

2017年1月28日(土)〜2017年3月26日(日)

開館情報

時間
9:3017:00
※最終入館は16:30まで
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館
展示替期間、年末年始は休館
入場料一般 250円、20歳未満と学生 150円、65歳以上と高校生 100円
展覧会URLhttp://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2016/collection3/index.html#detail
会場神奈川県立近代美術館 葉山
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/
住所〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1    
アクセスJR横須賀線逗子駅または京浜急行電鉄逗子・葉山駅より京浜急行バス20分「三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前」下車
電話番号046-875-2800
関連画像

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