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[画像: 田幡浩一]

磯谷博史+小左誠一郎+田幡浩一 「Primal Reverberation」

Yutaka Kikutake Gallery
終了しました

アーティスト

磯谷博史、小左誠一郎、田幡浩一
「最初の残響、始まりとしてのリバーブ。絵を見ることは、つまるところそういうことではないでしょうか。画家たちの描く行為は常に原初的なものとしてあり、かつ、それを見る側は結果としての残響しか目にすることができない。その中間は想像するしかない、しかし、その前触れと残響を想像すること、あるいはそれに共感することで、私たちは絵を共有している。それは、絵についてのあらゆる教義を超えた原理的な問題であって、今日性や美術の制度を超えた、絵の存在論として----あまりに愚直だとしても----問いかけるにふさわしいものだと考えます。それは原初的な何かを、残響として、その熱を画面に宿し、空間を、私たちの心を揺さぶることができるだろうか。できるとしたら、その余熱のような画面は一体なんだろうか。そして、それを形作っている中間的な層は一体なんだろうか…?
見ることそのものを彫刻を通して問い続た芸術家・若林奮はラスコーの壁画について次のように述懐している。「最初に人間が絵を描いてから、約二万五千年から三万年以上にまで最近はさかのぼるにしても、その数字自体はあまり意味は持たないだろう。おそらく大事なのは、最初にそのような行動に出た人間の、その時の状況であると思われる。その時のことが、そのまま現在につながっているとは考えられないが、その後人々は絵を描き続けてきたし、現在もそうである」。「その数字自体はあまり意味をもたないだろう」と若林は言う。確かに数字自体は意味を持たない。しかし、時の厚みとしては ― 中間的な層としては ― 意味を持つはずである。つまり、最初に描かれた絵は、そのままではないにせよ、長大な時の厚みをくぐり抜け、今まで続く一連の絵の始まりとしての残響を届け、世界を揺さぶり続けているのである。
したがって、絵をめぐる本展についてこう言える。私たちが見ているものは絵である。しかし、絵それだけではない。そのそれぞれの最初の状況を想像し、一方で残響に耳を澄まし、そしてその間の厚みに、目には見えない世界の振動を感じ取ることである。
想像してみよう。ある一枚の絵が描かれる前と、描かれた後の世界を。一枚の絵が描かれる前と、その後では、この世界に何が起こっているのだろうか。あるいは、一枚の絵を目にする前と、その後では、あなたの中に、何が起こっているのだろうか。」ー鈴木俊晴 (豊田市美術館学芸員)。
本展は豊田市美術館の学芸員・鈴木俊晴さんをゲスト・キュレーターに迎え、「絵」の魅力について考え深めていくことを企図して行われるグループ展の第1回目となります。

スケジュール

2017年4月1日(土)〜2017年4月29日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

アーティストレセプション 2017年4月7日(金) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttp://www.ykggallery.com/exhibitions/primal-reverberation/
会場Yutaka Kikutake Gallery
http://www.ykggallery.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
アクセス都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅1a、1b出口より徒歩1分
電話番号03-6447-0500
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