和田礼治郎 + アリエル・シュレジンガー 展

スカイザバスハウス

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水面にガラス製モジュールを浮かべる《ISOLA》(2010年〜)、アルプス山脈で自然の滝を曲げ水平鏡と交差させた《Via》(2004年)など、エキセントリックな手法で風景を彫刻化する和田礼治郎。工学的なメカニズムに操作を加え、死や破壊をユーモラスに表現するイスラエル人作家 アリエル・シュレジンガー。ベルリンを拠点として、国際的な活動を続ける若手作家二人による、弊ギャラリー初めての展覧会となります。
ギャラリー空間の正面には、6mの真鍮板からなる和田の大作《Vanitas》(2015年)。二枚のパネルを鋭角に配置し、その隙間に様々なフルーツを投げ入れています。時間の経過にしたがって、フルーツに含まれる酸が真鍮の表面を浸食し、その移動の痕跡から緑青が生じています。ヴァニタスとは、16-17世紀オランダの静物画に見られる主題で、人間の死すべき定めの隠喩である頭蓋骨や、腐ってゆく果物などが、観る者に対して虚栄のはかなさを喚起する意図をもっていました。《Still Life》(静物、2014年〜)から展開した本作は、実体不在のまま、その軌跡が抽象的なコンポジションを成し、今日の黙示録ともいえるような光景をうみだしています。また、真鍮製の枠にブランデーが注がれた《Mittag》(2015年)では、琥珀色の水平線が理性の果てと永遠を表し、太陽が正中して最も高く輝く一日の頂点としての光景を、ミニマルな彫刻へと抽象化しています。
さまざまな素材をもちいて、展示空間に危機的な状況を生み出すシュレジンガーの新作《Gas Loop》(2016年)では、ガスボンベに点火された炎が、それ自体の胴体部分を焼き続けています。いまにも爆発するかのような心理的な恐怖を引き起こし、安定したシステムに仕掛けた不穏さを強く感じさせると同時に、その緊張からの開放をユーモラスに示す表現は、政治的な歪みや破壊の脅威を示唆しているといえるでしょう。また、人骨(頭蓋骨)を砕き、その破片を裏返しにしてつなぎ合せた《Inside Out Skull》(2014年)では、死の象徴を反転させ、その悲壮さを打ち消しています。写真シリーズ《Three Commas Club》(2016年)では、時間の経過を意味する炎や、生の虚しさを表す煙など、ヴァニタスの主題が繰り返され本展を通底する視点を強調しています。
神話にみられる象徴や寓意が散りばめられた本展では、さまざまなイメージの遺産が、現代の手法によって変奏されています。安定した理性をゆるがし、美しさを人間の制約から開放するこれらの作品は、ある崇高性を指し示しているのかもしれません。それはまた、わたしたちの認識の限界を表し、日々移り変わる現代社会をまえにした、憂鬱と不安を相互に示しているといえるのではないでしょうか。

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スケジュール

2017年01月27日 ~ 2017年02月25日

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