終了した展覧会・イベントです
[画像: 福井良之助「魚と小貝」 1955-65年頃 紙に孔版 ed.10 17.9 × 28 cm]

福井良之助 「孔版画展」

ギャラリー石榴 南青山ルーム
終了しました

アーティスト

福井良之助
福井良之助(1923-1986)は30代後半から40代前半の約10年間、他に類をみない版画作品を集中的に制作し、現在わかっているだけで300種ほどを残しました。それらは重厚な美しさをもった作品群ですが、その格調高さとはうらはらに、作家が手にしていたのは、当時、世にあふれていたガリ版と呼ばれる簡易印刷の道具の数々です。美術を生み出す手法としては、ほとんど見向きもされない印刷装置。まるでそれらを人知れず発見するかのようにして、彼は独自の美の鉱脈を掘りあてたのでした。「ガリ版」という単語さえ耳慣れない世代が増えた昨今ですが、その道具をイメージできる世代にとって、福井孔版は、"あの"ガリ版で、どうやったらこんな絵づくりが可能なのか、という驚きに直結します。原版として用いた紙(蝋原紙)は保存が難しく、創作工程の詳細を明らかにすることは、もはや難しくなりました。しかしその極細の神経質な線、明快なフォルム、複雑な絵肌は、作家が試行錯誤のすえに編みだした、いくつかの技法の組み合わせによるものとされています。後に洋画家として大家となる福井ですが、若き日の孔版には、この意外な技法との出会いに導かれるように、描きたい世界をスルスルと実現させていった、当時の生き生きした姿が重なります。もともと刷り部数が少なく、当時よりアメリカなど海外の人々に評価され、多くが国外にもたらされた背景もあり、福井孔版の全貌はいまだ正確には把握されていません。この度の展示では、孔版20余点を通し、日本の戦後美術における豊かな伏流を展覧いたします。

スケジュール

2018年6月8日(金)〜2018年6月16日(土)

開館情報

時間
11:0018:30
備考
開館時間 11:00〜19:00、水曜日は休廊
入場料無料
会場ギャラリー石榴 南青山ルーム
http://www.g-sekiryu.com/
住所〒107-0062 東京都港区南青山1-11-39 1139南青山 2F
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線青山一丁目駅3番出口より徒歩4分
電話番号03-6438-9690
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します