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[画像: ©Kaoru Usukubo, Courtesy of taimatz]

薄久保香 「偶然の法則による実験」

taimatz(タイマツ)
終了しました

アーティスト

薄久保香
フォトリアリスティックな表現を可能にする精緻なテクニックとシュールレアリスティックな主題。相反するかのような二つの要素をまとめあげ、独特の幻想的な作品世界を構築する薄久保香。今回の新作個展では、薄久保がこれまでも試みてきたコラージュの意味を敷衍し、空間のみならず時間的な要素の分断をも意識しながら「実験」として制作した新作を展示します。ある日、薄久保のスタジオを訪れたベルリン在住の少女Umekoは、家族の歴史を伝える100年前の豪華なドレスの上に100円のレインコートを着て作品のなかに登場します。アーティストのスタジオであるがゆえに空間のそこここに残されている過去の制作の痕跡物。それらは本来の文脈から切り離された「モノ」としてUmekoの眼前に投げ出されます。シリーズ中でトリックスター的な役割を担うメンフクロウのKiyoは、動物でありながら人間の眼差しを持つ他者として存在感を放っています。通奏低音的なモチーフであるハンス・アルプのコラージュは、近年、薄久保が興味の対象として継続的に描き続けている対象であり、コラージュのように構成された構図のなかに封じ込められた、もう一つのコラージュなのです。本来であれば出会うはずもないモチーフが集まってうまれる対立と調和、そこから発生する不可視のエネルギーを、薄久保は「結晶」と呼び、その一瞬の姿を記録した自身の絵画を「結晶時間 crystal moment」と呼んでいます。偶然の邂逅から生まれる永遠の時間を捉えようとする薄久保の試みは、絵画という窓から眺める、常に変化し拡張し続けるこの世界の、そのゆるぎない本質を理解するための彼女の実験なのです。

スケジュール

2018年11月24日(土)〜2018年12月22日(土)

開館情報

時間
10:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
会場taimatz(タイマツ)
http://taimatz.main.jp/
住所〒101-0031 東京都千代田区東神田1-2-11
アクセス都営新宿線馬喰横山駅より徒歩2分、JR総武線馬喰町駅より徒歩2分、東京メトロ日比谷線小伝馬町駅より徒歩4分
電話番号03-5820-8088
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