早川貴泰 「デジタルアニミズム」

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早川貴泰は、世界中の神話や宗教をリサーチし、その図像や概念をモチーフとして再構築し作品を制作している。特に仏教や神道を中心にリサーチ、神話や宗教の源流となる先土器時代の人間の思考に着目し、神話や宗教の源流となった神々を抽象的な表現として現出させる。ラスコーの洞窟壁画における動物は、洞窟に獲物を描くことで、狩猟の成功を祈ったとも考えられ、自然崇拝、精霊崇拝の一端であり原始宗教の起こりかもしれないと考えられている。一方、美術においては中原祐介が晩年にヒトはなぜ絵を描くのかを考えるうえでも触れているように、洞窟壁画は人間の絵画の始まりと考えられている。早川もその洞窟絵画に魅せられた一人であるが、その考え方は少しばかり他と違う。彼は洞窟壁画においてひとはそのときすでに絵画的表現を超え、動的表現を見ていたのではないかと仮定している。「描かれた動物の中に足が8本描かれているものがある。これは暗い洞窟の中で松明の明かりを用いて見ることを考えると、実は、明かりの角度を変えて、この絵をアニメーションさせて見ていたのではないだろうか?そう考えると、人類は先土器時代に、自然崇拝および精霊崇拝(animism)と映像表現(animation)を同時に、もしくは同質のものとして発明していた可能性が高い。」この仮説は、早川の創る作品の表現方法選択の根源的な理由である。「animation」の動詞形は「animate」。これは「アニメーションをつくる」「動きをつける」という意味の他に「命: 魂を吹き込む」という意味を持っている。つまり「animation」は「命を持たざるものに命を与える」行為ともいえる。この行為 と、「万物に魂が宿る」と思考する「animism」(精霊崇拝) は、有機的なものも無機的 なものも全て境界を無くし捉えるという点から同質のものであると考えることができる。「animation」(アニメーション) と「animism」(精霊崇拝) の語源が共に「anima」( 生命 ; 魂 ) であることは、そう考えると偶然ではないだろう。早川は、この「animation」、「animism」、「anima」の、3語の関係に着目し、それらをモティーフとして、または、その3語の関係性からのインスピレーションをもとに、創作活動を行っている。 また、彼の作品のもう一つの特徴として見れるのが、膨大な量の重なりである。要素一つ一つは単純で短い単位であるが、いくつかの異なる形および動きを用いている。これらを複製し増殖させ複雑に絡み合わせていく。行為自体は非常にアナログで単純なものであるがコンピューターと現在のテクノロジーを仲介することでその重なりは尋常ではなく膨大なものになっていく。すると、いつしか、単純だった形と動きは全体としてうごめく生命体のようになっていく。早川の作るアニメーションに特定のストーリーはない。色、形といった要素の組み合わせでありそれらのコンポジションである。これは、元来早川の創作が絵画を起点としていることにあるかもしれない。つまり、早川にとってアニメーションは動く絵画であった。絵画の要素となる色、形に動きを加えることで時間を付与する行為をコンピューターを使って行っていった。コンピュータを介してつけられた動きは超多層化し、無機的な形が有機的な様相を示しはじめている。早川は静止した絵画では表現しきれなかったものをHigh&Lowテクノロジーの混合にてつかんだのかもしれない。早川の作るアニメーションはいつかその度を超えて本当にアニマを作り出すのだろうか。

メディア

スケジュール

2020年01月10日 ~ 2020年02月02日

オープニングパーティー 2020年01月10日18:00 から 20:00 まで

アーティスト

早川貴泰

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