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[画像: ©Etsuko Kasagi/「1945 年、満洲国東満省(黒竜江省)石頭東方、21 歳の母と」]

笠木絵津子 「私の知らない母」

コミュニケーションギャラリーふげん社
終了しました

アーティスト

笠木絵津子
このたび、コミュニケーションギャラリーふげん社では、2020年10月8日(木)から10月25日(日)まで、笠木絵津子個展「『私の知らない母』大型プリント展―林忠彦賞受賞を記念してー」を開催いたします。

笠木絵津子は1952年兵庫県尼崎市生まれの現代美術家です。1977年奈良女子大学大学院理学研究科物理学専攻修士課程修了後、京都大学基礎物理学研究所を経て、1980 年にフリーカメラマンとなります。1992年にはニューヨーク大学大学院芸術研究科スタジオ・アート専攻修士課程修了しました。

母・久子(1924~98年)の死後、自分の母親の人生について何も知らなかったことに愕然としたという笠木は、伯母の家で出会った古い家族写真にいざなわれるようにして、戦前の東アジアに生きた母の軌跡をたどるシリーズの制作を始めます。母・久子は、日本統治時代の朝鮮・鏡城(現北朝鮮)で生まれ、台湾、満州(現中国東北部)を経て、1946年、日本へ引き揚げました。笠木は、母を知る人物へのインタビューや、戦前の満州や台湾の文献調査を重ねていきました。最終的に、母がかつて暮らした場所へ実際に赴いて撮影した際、彼女の脳内に立ち現れた現在と過去が入り混じるイマジナリィな光景を表現しようと試みたのが、古い家族写真、収集した当時の東アジアを捉えた古写真などをダイナミックに交錯させたデジタルコラージュ作品でした。

母の死から21年経った2019年に、本シリーズの集大成である作品集『私の知らない母』(クレオ)を出版しました。本著は「「時間と空間の芸術」といわれる写真の到達点」として評価され、2020 年第 29回林忠彦賞を受賞しました。

当展では、「私の知らない母」からオリジナルの大型プリント10数点を展示します。会期中には、物理学と東アジア史の専門家を招いてのトークショーも開催します。

娘が肉体的にも精神的にも一番関係の深い母親のルーツを辿ることは、一見、アイデンティティをめぐる私的な営みに思えますが、本作は動乱の歴史を生き抜いた個人や一家族が 浮き彫りになると同時に、市井の人々を翻弄した時代や歴史という大きな力をも実感させられます。そこにあった時間、そこにあった人々が現前する等身大のプリントを通して、 時空を超えた一大叙事詩をご高覧ください。

スケジュール

2020年10月8日(木)〜2020年10月25日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
土曜日・日曜日は18:00まで
休館日
月曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://fugensha.jp/events/201008kasagi/
会場コミュニケーションギャラリーふげん社
https://fugensha.jp/
住所〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12
アクセス東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線・JR山手線目黒駅西口より徒歩17分、JR山手線目黒駅西口より東急バス「元競馬場前」下車徒歩1分
電話番号03-6264-3665
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